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鉄道5時間バス4時間、リニア新幹線に期待する町

見逃せない観光面の波及効果

2016年11月15日(火)

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2027年に開業予定の、東海旅客鉄道(JR東海)のリニア中央新幹線。東京・品川~名古屋を最短40分で結ぶ速さから、ビジネス客の利用が期待される。だがよく見ると、観光面でも意外に力を発揮しそうだ。視点を変えてリニア新幹線の実像に迫ってみた。

リニア中央新幹線の車両。東京・品川駅と長野県(仮称)駅を45分で結ぶ(各駅停車型)

 「高速バスで4時間超、列車だと5時間はかかるな」――。7月中旬、総合スーパー大手、ユニーの店舗を取材するため長野県への出張を準備していた記者は、初めて訪れるある取材地から、東京都内への帰り道を調べ、所要時間の長さに愕然とした。

 その取材地とは県南部の飯田市。国の名勝「天龍峡」や、秘湯と秘境の里「遠山郷」があることで知られる。同市内にはリニア新幹線の「長野県(仮称)駅」ができる。品川~長野県駅の間には、神奈川県相模原市(JR橋本駅付近)、甲府市にそれぞれ駅ができるが、各駅に停車するタイプでも品川~長野駅間がわずか45分で結ばれる。

「3時間で行ける」の甘い認識

 都内から長野県北部や中部に行く場合、北陸新幹線(旧・長野新幹線)の沿線だと東京~軽井沢が1時間15分程度、東京~長野も1時間半ほどで着く。都内と飯田市の直線距離は180km程度。新幹線は走っていないが、それでも特急列車を使えば3時間程度あれば行けるだろうと考えていた。

 ところが、飯田駅発の特急「ワイドビュー伊那路」が向かうのは南の豊橋駅(愛知県豊橋市)。つまり、高速鉄道を使うにしてもまず豊橋まで南下し、それから東海道新幹線で都内に向かうルートになるのだ。長野県の南東部は南アルプスがそびえ、往来を妨げているからだ。

 しかも豊橋では、新幹線の最速「のぞみ」は止まらない。次に速い「ひかり」や各駅停車「こだま」を使うしかなく、乗り継ぎに時間もかかる。

 長野県内を通るルートでは、県中部の岡谷駅まで出れば特急「スーパーあずさ」で新宿まで行ける。ところが飯田~岡谷間は特急電車がなく、移動に2時間はかかる。どちらにしろ「列車だと5時間」になってしまうのだ。

 高速バスを使うにしても、東京・新宿駅のターミナルまで4時間はかかる。こちらも鉄道と同様、地理的要因が大きい。記者は自らの認識の甘さを痛感した。

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「鉄道5時間バス4時間、リニア新幹線に期待する町」の著者

須永 太一朗

須永 太一朗(すなが・たいちろう)

日本経済新聞証券部

2003年一橋大学社会学部卒業、日本経済新聞社に入社。西部支社(福岡)で警察、企業、県政を順に担当。その後は主に証券部で日本株相場を取材。14年3月、日経ビジネス記者に。17年4月、日本経済新聞証券部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師