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冠婚葬祭互助会が乗り出した「孤独死対策」

寺院とコラボして「無縁社会」を「有縁社会」に

2015年12月2日(水)

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 仏教寺院の存続の危機を描いた『寺院消滅~失われる「地方」と「宗教」~』を著した。昨今の葬儀の簡素化や、都市化の流れに寺院が飲まれ、1つ、また1つと消えている。特に少子高齢化が進む地方都市では寺院消滅が顕著だ。寺を支えてきた檀家が減り、隣組も機能しなくなり、結果、寺院の無住(住職不在の寺院)化が進行している。地域の紐帯としての役割を担ってきた寺院が「消えて」しまうと、同時に地縁や血縁の結びつきが薄れてしまう。悪循環に入っている。

 「平成の法難」という表現は決して大げさではない。仏教界では問題意識の共有が始まりつつある。最近では各宗門から勉強会に呼んでいただく機会が増えた。

 先日は意外な団体から、セミナーの講師の依頼がきた。

 冠婚葬祭の互助会だ。互助会は、会員から積立金を集めて、葬式や結婚式などの多額の出費に備えるための組織だ。全国に葬祭ホールや結婚式場などを多数抱え、時が来れば、会員は施設を利用することができる。

世界でも珍しい縁組織

 互助会は終戦直後の1948年、神奈川県横須賀市でスタートした。

 互助会は七五三、成人式、結婚式、葬式などの各種セレモニーを担ってきた。人生儀礼を大切にする日本人の文化風習に根差した組織と言える。

 これら人生儀礼を執り行う際、「縁」の存在が欠かせない。例えば葬式では「地縁(隣組)」と「血縁(親族)」が取り仕切る。互助会もまた、ひとつの「縁組織」である。

 互助会のような、相互扶助の精神で儀礼を担う縁組織は、世界でも類を見ないものだ。

 互助会は発足から70年近くを経て前受金が2兆円、会員数が2000万件を超える巨大ネットワークに成長した。だが、近年は葬儀の簡素化、地方都市の衰退などによって、伸び率が頭打ちになりつつある。互助会数も1986年の415社をピークに、現在は292社(2012年)にまで減ってきている。互助会は、寺院と同じように、存続問題を抱えているのだ。

寺院と互助会がコラボ

 セミナー会場の最前列には、全国冠婚葬祭互助会連盟会長で、作家としても活躍されている佐久間庸和氏の姿があった。

 佐久間氏からは、「寺院と互助会の仕組みはとても似ている。例えば互助会では高齢化社会に向けた様々な取り組みを実施し、地域と互助会の両方の活性化につなげている」との意見があった。具体的に話を聞いていくと、佐久間氏の試みは示唆に富むものだった。

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「冠婚葬祭互助会が乗り出した「孤独死対策」」の著者

鵜飼 秀徳

鵜飼 秀徳(うかい・ひでのり)

日経おとなのOFF副編集長、浄土宗僧侶

京都市景観市民会議委員(2016年)、佛教文化学会会員。 1974年生まれ。成城大学文芸学部卒業後、報知新聞社へ入社。2005年日経BP社に入社。日経ビジネス記者などを歴任。2016年4月より日経おとなのOFF副編集長。浄土宗僧侶の顔も持つ。正覚寺副住職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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