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小泉進次郎が若手アスリートに託した言葉

東京五輪に向けて平等主義を捨てた日本陸連

2015年12月7日(月)

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 ブラジル・リオデジャネイロで開催されるオリンピックまで残り8カ月となった(開催期間は2016年8月5~21日)。続く2020年には東京で2度目のオリンピックが開かれる。自国開催の五輪だけに各競技団体は選手育成に力が入るが、日本陸上競技連盟は思い切った手を打っている。それが「ダイヤモンドアスリートプログラム」だ。2020年の東京五輪で活躍が期待される若手アスリートを早期に選抜し、重点的に強化育成する。従来の平等主義から脱し、リアリズム(現実主義)に徹してトップアスリートを生みだそうとしている。その取り組みは、企業における人材育成にも参考となるものだ。

お揃いの黄色いユニホームに身を包んだダイヤモンドアスリートたち。中央が小泉進次郎氏、同左が為末大氏(東京マラソン財団スポーツレガシー事業運営委員)、同右が山崎一彦氏(日本陸上競技連盟の強化委員会副委員長)(写真提供:日本陸上競技連盟/フォート・キシモト、以下同)

 11月23日、味の素ナショナルトレーニングセンター(東京都北区)には数十人の報道陣が集まった。メディアの注目は「ダイヤモンドアスリート」と呼ぶ若い陸上選手に、衆院議員の小泉進次郎氏が何を語るかだった。自民党の農林部会長を務める小泉氏が、なぜ陸上選手に話をすることになったのか。その理由を語るには、ダイヤモンドアスリートが何たるかを説明する必要がある。

 ダイヤモンドアスリートとは、19歳以下の陸上選手の中から2020年の東京五輪で活躍できると期待されて選ばれたエリート競技者だ。日本陸上競技連盟が2015年1月に11人を任命し、11月22日には2人追加して13人となった(ダイヤモンドアスリートプログラムの詳細はこちら)。

 その1人が、サニブラウン・ハキーム選手(城西大付属城西高等学校)だ。父がガーナ人で母が日本人のハーフで、今年7月の世界ユース選手権で100メートル、200メートルで二冠を達成した。特に200メートルは2003年にウサイン・ボルト選手(ジャマイカ)が出した世界記録を更新する20秒34を記録した。日本の陸上界で今、最も注目されている若手選手の1人だ。

 活躍が期待できるのはサニブラウン選手だけではない。男子三段跳びで日本記録保持者の山下訓史氏を父に持つ、山下潤選手(福島高等学校)は200メートルや三段跳びの選手。女性アスリートでも、投てきの北口榛花選手(旭川東高等学校)など3人が選ばれている。

 こうした若いアスリートは、東京五輪だけでなく目前に迫るリオ五輪でも好記録が期待できる。陸連が強化選手に指定するのは当然と言えるが、その強化の仕方が非常に多面的なのだ。通常のトレーニングや海外での大会のサポートはもちろんのこと、メンタルトレーニングや栄養面でも専門家が支援する。また、海外の大会で実力を発揮しやすいように英語の研修も組み込まれている。これは優勝した際に、海外メディアから取材を受けることを想定しているという。

コメント3件コメント/レビュー

能力のある人を選抜して優遇的に育成する。競技の世界ならば当然の論理が、日本では歪んだ平等意識によって封じ込められてきた。その現実を打破する試みだ。これは、来年のオリンピックが楽しみになってきた。
 「能力」には個人差がある。それは否定しようのないリアルである。能力がなければ、能力を身に着けて、向上しようとする。そこに発展がある。なのに、能力差は初めから存在せず、みんな「もともと特別なオンリーワン」なんて言って、競争や努力の価値をさげすんできた。その結果が、今の日本の現状だ。
 イノベーションなんて、簡単なことだ。今日の自分より明日の自分の方が成長している。各自がそういう気概を持って日々努力すればよいだけ。日々の小さな改善の積み重ねが、長い目で見れば改革と言えるほどの大きな変化をもたらす。陸連の試みが一般社会に広がっていくことを願う。(2015/12/07 20:05)

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「小泉進次郎が若手アスリートに託した言葉」の著者

坂田 亮太郎

坂田 亮太郎(さかた・りょうたろう)

日経ビジネス副編集長

東京工業大学大学院修了後、98年日経BP入社。「日経バイオテク」「日経ビジネス」を経て2009年から中国赴任。北京支局長、上海支局長を経て2014年4月から日経ビジネスに復帰

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

能力のある人を選抜して優遇的に育成する。競技の世界ならば当然の論理が、日本では歪んだ平等意識によって封じ込められてきた。その現実を打破する試みだ。これは、来年のオリンピックが楽しみになってきた。
 「能力」には個人差がある。それは否定しようのないリアルである。能力がなければ、能力を身に着けて、向上しようとする。そこに発展がある。なのに、能力差は初めから存在せず、みんな「もともと特別なオンリーワン」なんて言って、競争や努力の価値をさげすんできた。その結果が、今の日本の現状だ。
 イノベーションなんて、簡単なことだ。今日の自分より明日の自分の方が成長している。各自がそういう気概を持って日々努力すればよいだけ。日々の小さな改善の積み重ねが、長い目で見れば改革と言えるほどの大きな変化をもたらす。陸連の試みが一般社会に広がっていくことを願う。(2015/12/07 20:05)

素晴らしい。面白い。うなった。今年最高の記事かもしれない。視線・視野が広い。読み手によって見える世界が変わることを想定して書かれた記事に見える。欧米と日本の民族的差異から歴史性・発展段階と(経済的を含めた)手法の概観(「第2の波」的平均的大量同期的生産と人材観から21世紀的それへの一つの視点の提供)。「ノーブル・オブリージュ」的な倫理観と大衆社会の軋轢と共存・共栄。リーダーシップのあり方とその担い手の心構え。「子供をどう育てるか。」という一般的疑問に対する示唆...いろいろな人と語り合えるネタにできる。とにかく素晴らしい。
(ただし,プリフィールのふざけた写真で1点減点!)(2015/12/07 15:36)

今日の NB on line で出色はどれかなと見定めるのがきょうを占う楽しみ。恩着せがましい思いはなく、読者の筆者に対する真面目な敬意の表示でもある。そして読む。書き物のみならず、発言に対する思いも同じでありたいが、こうした道徳観が乱れ果てたこの頃、記事がいい。平均律でいいの?建設・設計分野で聞く黄金率が最高?成績や記録の実績が求められるスポーツ・体育系などと分類してはいけないが、記述に沿って考えると、1)現状を打破する(ができる)エナジー・若さ。2)迸るような破天荒な発想。3)やり遂げる意思(熱・意気地・力)と見た。なんだこれって、イノベーションではないか!けれど昨今、イノベーションは盛んに口にされるが、真に人口に膾炙しているかと問うてみて否である。限りなく個そのもの、何処から押しても突いても引いても能わざる、崇高とはまた異なる、飽くまで個である事を先ず認めなければならない。期限を設け、出来るだけ多くの知見を以って、協議して等を網羅してではイノベーションは成り立たない代物である。金科玉条のように多数決が信奉されている今、こちらへの舵切りは難題だが、とりわけスポーツ界ではやり切らねばならない一里塚だ。(2015/12/07 07:16)

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三品 和広 神戸大学教授