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“人類の敵”と戦う「最強の国際機関」の作り方

今、知るべき「21世紀型パートナーシップ」(1)

2016年2月4日(木)

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2000年当時、人口約1000万人のアフリカの小国マラウィでは、人口の10人に1人がHIVに感染。エイズによって親を失った遺児は50万人以上に達し、子供が子供の面倒をみながら生きぬかなければならない状況に陥った。(c)Global Fund

 「パートナーシップ」という言葉をよく耳にする。

 欧米では、特にビジネスの世界で、共同事業や契約関係を指す用語として古くから使われてきたが、近年、広く使われているのは「パブリック・プライベート・パートナーシップ(Public-Private Partnership)」、官民(公民)連携だろうか。官民のみならず、産学連携、産官民学連携など、より広いセクター・分野間でのパートナーシップも広がってきている。

 日本が産みの親となり、「21世紀型パートナーシップ」と呼ばれている国際機関がある。「世界エイズ・結核・マラリア対策基金(The Global Fund to fight AIDS, Tuberculosis and Malaria)」(通称、グローバルファンド)である。

 筆者が所属する組織であるため手前味噌のようで恐縮だが、営利組織でなく、世界の公共財として、既存の国際機関には実現が難しいといわれた新しい形のパートナーシップを具現したという点で参考になると思うので、それがどんなものなのか説明したい。

HIVの猛威、結核・マラリアの再興

 まず、なぜ「21世紀型パートナーシップ」の構築が必要だったのだろうか。

 最近、エボラの流行が世界を騒がせたが、1980~90年代、感染症の勢いはとどまるところを知らなかった。新たな感染症がほぼ2年に1つずつ現れ、また古くから存在する感染症が再流行し、新興・再興感染症として世界を騒がせていた。

 特に、1981年に世界初の患者が報告され、翌年にはその病気を起こす新たなウィルスが同定されてから、HIV/エイズは瞬く間に世界を席巻した。

 最近の研究結果によると、どうやらHIVの起源はアフリカで、エボラと同様にゴリラやチンパンジーなど類人猿との接触、またそれらを生食したことが原因ではないかと考えられている。特に、広域に広がり始めたのは1920年代。ベルギー領コンゴ(現在のコンゴ民主共和国)からの拡大が有力視されている。

 ベルギー政府の統治下、鉄道インフラを含む交通の整備が進み、数百万人の賃金労働者が商業都市キンシャサに集まった。その大部分が男性であったため、性産業も活発化した。そこで伝播し始めたHIVウィルスが、鉄道・水路などの交通機関を通じてアフリカ、そしてヨーロッパなどに広がったといわれている。したがって、1981年にアメリカで発見された時点では、既にアフリカ大陸や他地域にも流行が広がっていた、とも考えられている。

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「“人類の敵”と戦う「最強の国際機関」の作り方」の著者

國井 修

國井 修(くにい・おさむ)

「グローバルファンド」戦略・投資・効果局長

国際緊急援助NGO副代表として、ソマリア、カンボジアなどの緊急医療援助に従事。国立国際医療センター、外務省、UNICEFニューヨーク本部、同ミャンマー事務所、同ソマリア支援センターなどを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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