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“人類の敵”と戦うための理想の連携・協力

今、知るべき「21世紀型パートナーシップ」(2)

2016年2月5日(金)

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結核は治療できる病気だが、貧しい国ではその診断・治療する施設も人材もなく、感染が増えていた。ブータンではグローバルファンドの支援で6000人以上のヘルスワーカーが研修を受け、2000以上の辺地の村で結核患者に薬を届け、結核による死者を減らしていった。(c)Global Fund

前回から読む)

 国際レベルのパートナーシップは比較的作りやすいのだが、国レベルでのパートナーシップを促進するのは思うほど簡単ではない。特にグローバルファンドが設立された2002年ごろ、途上国で援助組織間の調整・連携が機能しているところは少なかった。

 国連機関同士、また国連機関と現地政府(保健省など)は定期的に情報交換をすることはあっても、現地政府とNGO・市民社会は顔さえ合わせていない、公的セクターと民間セクターには話し合いの場が全くない、多くのNGOが活躍しながら、その横のつながりがほとんどない、という状況が多くの国でみられたのである。

 私も現場で働いていた時、NGO間、また国連機関同士の連携・協力を強化しよう、緊急援助においては、国連機関とNGOの連携・協力を強化しようと様々な努力をし、正式にコーディネーター(調整役)を任されたこともある。

 これらを通じて学んだことがある。連携・協力といっても様々な段階・レベルがあり、理想の姿に近づけるには多くの問題をクリアしなければならないということである。

「連携・協力」した気になってはいけない

 まず連携・協力の第一段階は「情報交換」である。各組織が何を計画し、どんな活動をしているのか、どの部分で連携・協力ができるかを話し合うことからすべては始まる。しかし、ありがちなのは、ただ集まって情報交換をするだけで連携・協力したような気になること。具体的にどの部分でどのように連携・協力するのか、それを知るためにどのような情報を持ち寄り、どのような分析をする必要があるのか、など目的と手段が明確にされていないことも多い。おそらくこれは、援助に限ったことではないだろう。

 しかし、この情報交換の目的や手段を明確にしても、この段階では連携・協力による十分な効果や効率がみられないことがある。実施段階で調整できることは限られ、途中から重複した活動を相手の組織に譲ったり、新たな活動を追加することができないことも多いからである。

 連携・協力を強化するには、次の段階「共同の実施計画」を作る必要性を感じてくる。理想的には目標や戦略を共有し、共同の行動計画を定め、役割分担を決める。さらに、進捗状況を測るため、指標を決めて「モニタリング・評価」を共同で行う。

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「“人類の敵”と戦うための理想の連携・協力」の著者

國井 修

國井 修(くにい・おさむ)

「グローバルファンド」戦略・投資・効果局長

国際緊急援助NGO副代表として、ソマリア、カンボジアなどの緊急医療援助に従事。国立国際医療センター、外務省、UNICEFニューヨーク本部、同ミャンマー事務所、同ソマリア支援センターなどを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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