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「アフリカ開発」の転換点、我々に何ができるか

2016年「TICAD VI」の現場から考える

2016年11月30日(水)

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今年8月、ケニア・ナイロビで開催された第6回アフリカ開発会議(写真:AP/アフロ)

 2016年もあと1カ月を切り、私が関わった今年の世界の重要なイベントとして、どうしても書き残しておきたいことがある。

 本稿はそのひとつで、8月27-28日にケニアの首都ナイロビで開催された第6回アフリカ開発会議(The 6th Tokyo International Conference on African Development:TICAD VI)である。

 ご存知の方も多いと思うが、この会議はアフリカの開発をテーマとし、1993年に日本政府が主催し、国連、国際開発計画、アフリカ連合委員会、世界銀行と共同で5年毎に開催してきた国際会議である。これまで5回日本で開催してきたが、アフリカ諸国の強い希望で、今年初めてアフリカで開催することになった。私は2003年のTICAD III、2013年のTICAD Vに続いて、今回は3回目の参加である。

 ナイロビのタクシー運転手が「こんな大きな会議は今まで見たことがない」というほど、TICAD VIには日本、アフリカ53カ国の首脳・大臣・政府代表団、アフリカ以外からも52カ国、74の国際機関・地域機関、77の日本の企業・大学等の団体、アフリカの民間セクター、日本・アフリカなどの市民社会の代表など、1万1000人以上が参加し、そのサポートにまわった人々を含めてナイロビの主要なホテルがすべてほぼ満室になったという。

初のアフリカ開催、ケニア主導で「成功」

 今回は日本政府でなくケニア政府が主導していたため、実をいうと会合の準備があまりにポレポレ(スワヒリ語で「ゆっくり」「のんびり」の意味)で、「本当に開催できるのだろうか」と不安に思った人は少なくない。私も安倍総理、ケニヤッタ大統領をはじめ、保健大臣や国際機関の代表などが参加するサイドイベントを日本政府、ケニア政府、世界銀行などと共催していたので、2か月前になっても会場などのロジの詳細が決まらず、関係者を焦らせていた。

 しかし、蓋をあけてみると、どうにか大幅な遅れやミスもなく、「大成功」「素晴らしい」「やるじゃない」と、主催国ケニアやアフリカ諸国に対する賞賛が出席者の中から聞かれた。それに対して「本番に強いのがアフリカだよ」と自画自賛するものもいて、それもまたアフリカらしい。

 しかし、何をもってTICAD VIの「成功」というのだろうか。あれだけの人が集まり、時間と労力と資金を費やしたのだから、それはきちんと問われなければならない。

・20年以上の歴史のあるTICADを初めてアフリカの地で、アフリカ主導で実施したこと
・経団連会長をはじめとして、73の日本企業が経営幹部を送り、実際に22の日本企業や大学がアフリカ諸国・機関と73本 の覚書に署名したこと
・日本政府の閣僚や経済団体や企業のトップが、3年に1度アフリカを訪れ、ビジネスの目線で課題を特定して官民力を合わせて解こうとする「日アフリカ官民経済フォーラム」の創設を公約したこと
・3年前横浜で開いたTICAD Vで発表した日本の約束が期限(2017年)まで2年を残して67パーセント果たされ、今回、新たに日本が「クオリティ・アンド・エンパワーメント」をモチーフとして、1000万人のエンパワーメント・人作りを含めた公約をしたこと
・この会合の成果文書として、「経済の多角化・産業化を通じた経済構造改革の促進」「質の高い生活のための強靱な保健システム促進」「繁栄の共有のための社会安定化の促進」を三本柱としたナイロビ宣言とその実施計画を合意したこと

など様々な答えがあるかもしれない。

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「「アフリカ開発」の転換点、我々に何ができるか」の著者

國井 修

國井 修(くにい・おさむ)

「グローバルファンド」戦略・投資・効果局長

国際緊急援助NGO副代表として、ソマリア、カンボジアなどの緊急医療援助に従事。国立国際医療センター、外務省、UNICEFニューヨーク本部、同ミャンマー事務所、同ソマリア支援センターなどを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官