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時代は「ニュー・アブノーマル」へ

次なる出動は「財政」か「ヘリコプター」か?

2016年3月1日(火)

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「ニュー・アブノーマル」の時代に入ったとするニューヨーク大学のノリエリ・ルービニ教授(写真:ロイター/アフロ)

 日銀が導入したマイナス金利は、その発表後に円高・株安が進行したこともあって、すこぶる評判が悪い。メディアは、マイナス金利に対するネガティブな論調で溢れている。マイナス金利で先行している欧州市場でも、同政策の人気が高いとは言い難い。

 日欧ではそれぞれ、マイナス金利は債券市場機能を破壊し、銀行システムを不安定化させ、通貨切り下げ競争を促し、人々の現金選好度を強め、投資心理は逆に減退する、といった批判が目立っている。スウェーデンやデンマーク、そしてスイスなど欧州諸国の中銀が続々とマイナス金利を導入した狙いはユーロに対する通貨切り下げであったが、ECBが参戦したことで、その趨勢に歯止めが掛からなくなっている。

 ECBや日銀のマイナス金利導入は、量的緩和の限界という見方を強めたことで、政策評価が一層低下してしまった。特に日銀に関しては、昨年12月の「補完措置」が市場の失望を買ったばかりであり、マイナス金利が「切羽詰まった苦肉の策」と見做されて、リベンジ失敗との印象をも付け加えてしまった。

 確かに、既存の金融システムが収縮すれば逆効果となる可能性は否定出来ない。そもそも為替対策に過ぎないマイナス金利が度を超せば、副作用も起きるだろう。2%のインフレ率目標にマイナス金利を使うことへの説得力も乏しいし、量的緩和政策との整合性も疑わしい。

 だが、日銀がマイナス金利の導入を決定したことで、世界のGDP(国内総生産)の約25%を占める日欧諸国がマイナス金利の世界となっている。これはもはや、マイナーな金融現象とは言えない。そんな状況を見ていると、単なる金融政策批判に止まっていてはまずい、という気もしてくる。

米国もマイナス金利を検討か

 米国は一線を画しているが、今後の経済情勢次第では、FRB(米連邦準備理事会)もいずれ同様の政策を検討する時期が来るかもしれない。イエレン議長は先月の議会証言で、実施するかどうかは別問題として、2010年に一度検討したことのあるマイナス金利政策を再度協議する準備がある、との姿勢を見せた。筆者は来年あたり、景気後退に怯える米国がマイナス金利を検討する可能性もあるのではないか、と思っている。

 確かにマイナス金利は異様な政策であり、とても正常には見えない。だが、中国懸念という恐ろしい材料を背景にデフレ色の強まってきた世界経済が、そうした異常な政策を要請せざるを得ない時代に入ったのかもしれない。

 結果的に、日本はスイスに次いで2番目となる「長期金利マイナス国」になったが、そんなマイナス金利に覆われた債券市場は、長期不況構造に陥った現代経済における必然的な市場の姿であるようにさえ思われる。金融市場にはマイナス金利反対論が圧倒的に多数のようだが、筆者はマイナス金利を受け容れざるを得ないと感じている。

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「時代は「ニュー・アブノーマル」へ」の著者

倉都 康行

倉都 康行(くらつ・やすゆき)

RPテック代表

1979年東京大学経済学部卒業後、東京銀行入行。東京、香港、ロンドンに勤務。バンカース・トラスト、チェース・マンハッタン銀行のマネージングディレクターを経て2001年RPテック株式会社を設立、代表取締役。立教大学経済学部兼任講師。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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