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2016年度「ドル円100円割れ」の可能性

FRBが利上げを断念する日

2016年4月1日(金)

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人工知能などの技術革新を組み込んでも生産性の伸びは低いまま(写真:AP/アフロ)

 年初に突然のように金融市場を覆った暴風雨が去り、様々な不安要因を前にして消化不良に陥っていた投資家も、徐々に平常心を取り戻してきた。人民元相場が落ち着き、原油相場に底入れ感が出始めたことも、安心感を強めている。

 だが、怪しげな中国経済から英国のEU離脱リスク、米国大統領選挙そして中東や北朝鮮を巡る地政学リスクに至るまで、市場から不透明要因が消えることはないだろう。そして米国の今後の金融政策の行方も、いま一つスッキリしない材料である。それは今年度のドル円動向にも大きく影響する筈だ。FRBには、日銀やECBと違ってまだ市場を動かす力が残っているからである。

 米国の3月利上げは予想通り見送られ、今年の成長率やインフレ率が若干下方修正されるとともに、メンバーが示す年内利上げ回数予想の中央値も4回から2回へと修正された。米国経済は堅調と見る株式市場では「予想以上のハト派的内容でサプライズ」との声も上がり、為替市場では一時ドル円が110円台まで低下した。

 今回の金融政策判断に大きな影響を与えたのは、世界経済と金融市場の二つのリスクである。中国をはじめとする新興国経済の失速懸念と年初来の株式市場などの急落が、FRBのメーンシナリオを狂わせてしまったことは明白だ。

 だが、イエレンFRB議長は利上げ方針を堅持する姿勢を変えていない。記者会見で同議長は、設備投資の低調さや脆弱な海外経済の輸出への悪影響などにも言及しつつも、米国の内需は堅調で本年以降も潜在成長率を上回るペースでの成長は持続する、という基本認識を示している。

 FOMC議事要旨にも、足許の物価上昇率には上昇の兆候が見える、と記されていた。確かに物価統計にはそうした気配も窺える。そしてFOMC終了後には利上げ推進派から慎重派に転じていたセントルイス連銀のブラード総裁が手のひらを返すように利上げ再開を示唆したのをはじめ、サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁、アトランタ連銀のロックハート総裁、そしてフィラデルフィア連銀のハーカー総裁らが4月利上げを検討すべきだ、と述べるなど「ハト派ムード修正」の動きが起きている。

「ドット・プロット」に右往左往する市場

 こうした発言を受けて、一時弱含んでいたドルは一転して堅調な地合いとなり、ドル円は再び上昇トレンドに向かうかもしれない、といった期待も浮上している。市場のこうした右往左往には、FOMCが2012年に導入した「ドット・プロット」と呼ばれるメンバーの政策金利見通しが悪影響を及ぼしている。

 その予想金利水準の分布図に拠れば、2015年12月時点では2016年末の見通し中央値が1.375%で年間4回の利上げが示唆されていたが、2016年3月にはそれが0.875%に下がったことで「利上げ回数が2回に下方修正された」と市場は読んだ。それが「ハト派」と解釈された所以である。

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「2016年度「ドル円100円割れ」の可能性」の著者

倉都 康行

倉都 康行(くらつ・やすゆき)

RPテック代表

1979年東京大学経済学部卒業後、東京銀行入行。東京、香港、ロンドンに勤務。バンカース・トラスト、チェース・マンハッタン銀行のマネージングディレクターを経て2001年RPテック株式会社を設立、代表取締役。立教大学経済学部兼任講師。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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松﨑 曉 良品計画社長