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英国を席巻する「国民のための量的緩和」

接近する中国発の大型台風

2015年10月1日(木)

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「国民のための量的緩和」を唱える英労働党のジェレミー・コービン党首(写真:ロイター/アフロ)

 2013年5月から始まった「米国金融緩和の修正」と「新興国経済失速」の二つの懸念材料を前座に従え、今年6月以降の上海株の急落や人民元基準値修正という「中国経済リスク」が真打として登場し、8月中旬以降の株式市場には大幅な調整局面が訪れることになった。日経平均は6月のピークから約19%、米ダウも5月の最高値から約14%それぞれ下落した。

 9月の株式市場は一進一退の展開となったが、先般のFOMCでイエレン議長が利上げ見送りに関して中国を特に意識して説明したことは、FRBが「金融政策は国内要因で決める」という従来型の金融政策からの転換を余儀なくされた、という画期的な事実を示している。

 となれば、物価には上昇気配が見られない上に、中国経済が益々怪しげなムードになっている以上、10月どころか12月の利上げさえ疑問視されても仕方がない。イエレン議長は先月24日の講演で「年内利上げが適切だ」との姿勢を貫いているが、米国経済にも鈍化の気配が見え隠れし始めていることは否定出来ない。

 9月以降の米国経済指標のうち、議長に味方しているのは住宅市況と自動車販売くらいであり、製造業関連の指標や消費者の信頼感、設備投資、輸出入、そして企業の売り上げ見通しなどは押しなべて低調となっている。4-6月期GDP成長率の確報値は前期比3.9%に上方修正されたが、それも過去の話であり、アトランタ連銀のGDPNowが示す7-9月期GDPは1.8%成長と低調だ。

中国民の海外投資はキャピタル・フライト

 中国経済に関しても、海外市場の注目点は不安定な上海株への懸念や信頼出来ないGDPへの疑念から、人民元の先行き不安へと移っている。8月の人民元基準値算出方法の修正は確かに市場にショックを与えたが、その後の通貨急落を防ぐために人民銀行が巨額の元買い支え介入を行ったことや、その効果は限定的との見方が広がりつつあることに、もっと注意を払うべきだろう。

 中国の8月の為替市場介入額は1300億ドルに上り、9月も500億ドル以上のドル売り介入が続いたようだが、市場に台頭しつつある人民元の先安観は、株買い支えに失敗したのと同様に中国が人民元の防衛にも失敗する可能性を、投資家が感じ始めていることを示唆している。

 中国からの資本流出に、プラスとマイナスの両面あるのは事実である。前者で言えば居住者による積極的な海外投資であり、後者は海外マネーの逃避や人民元買い支えに伴う外貨準備の減少だ。

 だが同国民による海外投資の本音はキャピタル・フライトだ、と指摘する声は少なくない。中国経済の失速状況を鑑みれば、資本流出はやはりマイナス面を象徴するものとみるのが適切だろう。

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「英国を席巻する「国民のための量的緩和」」の著者

倉都 康行

倉都 康行(くらつ・やすゆき)

RPテック代表

1979年東京大学経済学部卒業後、東京銀行入行。東京、香港、ロンドンに勤務。バンカース・トラスト、チェース・マンハッタン銀行のマネージングディレクターを経て2001年RPテック株式会社を設立、代表取締役。立教大学経済学部兼任講師。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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