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怒りを忘れてはいけない、これが被災者の現状だ

東日本大震災から6年経った福島を訪ねる(3)

2017年4月26日(水)

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実は今回の福島視察には楢葉遠隔技術開発センターの見学に加え、もう一つの目的があった。帰還困難区域に自宅を持ち、いまだに帰宅することができない遠藤義之氏の話を聞くことだ。これまで何度も福島を訪れ、被災地の状況をつぶさに取材してきている”防災の鬼”渡辺実氏。その中で地元の方々と多く知り合ってきた。遠藤氏はそのひとり。震災のあと3年余りの付き合いだ。遠藤氏の語る福島の現実とは。

避難指示解除区域の概念図。ふくしま復興ステーションのHPより

 楢葉遠隔技術開発センターの見学を終え、“ぶら防”一行は2017年4月1日に一部を除いて避難指示が解けた福島県双葉郡富岡町に向かった。移動の車の中で渡辺氏は次のように語った。

「たとえ避難指示が解除されても、その場所が突然安全になるわけじゃない。国や当局は『解除するから住んでください』っていいたいのだろうけど、そういうわけにいかない現実もある。今日はそうした現実を改めて見つめたいと思っているんだ」

 2017年、桜の季節目前。震災以降数度目の福島取材だ。今回の同行者は福島県のいわき市で宅配弁当の会社である観陽亭を経営する遠藤義之氏だ。

 遠藤氏の生まれは福島県双葉郡富岡町。高校までをすごした。就職は東京の広告代理店を選んだが、25歳のときに故郷に戻った。

「故郷に恩返しをしたいという気持ちもあって、富岡町の第三セクター施設の開設スタッフとして参画しました」(遠藤氏)

 そして震災発生の2年前に、地元富岡町に当時あった「ホテル観陽亭」に支配人として就職した。

現在の観陽亭事務所で向かい合う鬼と遠藤氏

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「怒りを忘れてはいけない、これが被災者の現状だ」の著者

渡辺 実

渡辺 実(わたなべ・みのる)

防災・危機管理ジャーナリスト

株式会社まちづくり計画研究所代表取締役所長、日本災害情報学会理事、NPO法人日本災害情報サポートネットワーク理事長。国内外の災害現場からジャーナリスティックな提言を行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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