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「石油は国家なり」の意識が業界を突き動かす

「被災地に燃料を届けろ!」石油連盟の究極ミッション(後編)

2016年7月27日(水)

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インタビューに対応してくれた石油連盟専務理事の奥田真弥氏(右)と防災の鬼・渡辺実氏

東日本大震災は、石油業界の防災対策に多くの教訓を残した。石油連盟は『サプライチェーンの脆弱性』『情報収集の不備』『基本的な見落としへの気付き』など、いくつかの課題を設定し、1つひとつをクリアすることで業界全体の防災意識を底上げしてきた。熊本地震では教訓が生かされた。ただ、すべての課題がクリアされたわけではない。“防災の鬼”渡辺実氏は「一歩下がれば、また新たな課題が見えてくる」と指摘する。

 被災地だけでなく、日本全体に大きな爪あとを残した東日本大震災。石油業界にも甚大な被害が及んだ。サプライチェーンは途切れ、ガソリンを入れるにもスタンドに長い列を作らなければならなかった。被災地から関東にかけての人々は、日本中から石油製品が消えたかのように錯覚した。

 石油連盟専務理事・奥田真弥氏は言う。

「石油は十分にあるんです。ただ届けることができなかった」

 ガソリンスタンドに列を作っている我々ユーザーは、「大災害の直後なのだから仕方ない」と、ある意味で達観していたように思う。届ける側の石油業界の人たちの意識は少し違った。

「鉄は国家なり、という言葉があります。石油業界にも同じような意識があって、元売り会社からガソリンスタンドなどの販売店さんまで、『何としても届けるんだ。石油を途切れさせてはならない』という思いは本当に強い。感心するほどです。だからこそ、震災直後に一時的にせよ流通が滞ってしまったことに大きな責任を感じたのです」(奥田氏)

 前編では脆弱だったサプライチェーンの立て直しについて教えてもらった。ここからは二つめの課題である『情報収集の不備』について、引き続き石油連盟専務理事の奥田真弥氏に聞く。

「震災直後は携帯電話も通じない状態でした。情報の遮断は本当に恐ろしい。どこで何が起こっているのかわかりませんからね。石油業界ではこの点についてどのように対処してきたのですか?」(渡辺氏)

「業界全体の横のつながりをより強くするということもあるのですが、具体的には各製油所や油槽所に衛星電話を配備しました」(奥田氏)

「なるほどね、衛星電話は震災に強いと言われています。簡単に言うと通信衛星は地上のはるか上空にあるため、津波や地震の影響を受けません。東日本大震災のときは固定電話の実に23万回線が不通になったと言われているし、携帯電話も多くの基地局がダメージを受け、通話規制が行われました。そんなときでも衛星電話サービスは通話規制をしませんでした。衛星電話の配備は心強いですね」(渡辺氏)

油槽所の事務所に配備された衛星電話

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「「石油は国家なり」の意識が業界を突き動かす」の著者

渡辺 実

渡辺 実(わたなべ・みのる)

防災・危機管理ジャーナリスト

株式会社まちづくり計画研究所代表取締役所長、日本災害情報学会理事、NPO法人日本災害情報サポートネットワーク理事長。国内外の災害現場からジャーナリスティックな提言を行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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