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地上150メートルのゴンドラ上で修繕を考える

『エルザタワー55』で始まった修繕工事(2)

2015年9月9日(水)

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大規模修繕が始まっている『エルザタワー55』

 日本初となる超高層マンションの大規模修繕工事。前回は実際の工事に至るまでの経緯や住民合意のあれこれなどをお伝えした。今回は“防災の鬼”渡辺実氏が身をていして現場をリポート。地上150メートルまで浮上する作業用のゴンドラに乗って実際の工事現場を体験する。そこから見えたのは眼下に広がる絶景だけではない。これまで顧みられることのなかった超高層ビル大規模修繕工事の抱える問題点もくっきり見えてきたのである。

 1998年の竣工当時、日本一の高さを誇った『エルザタワー55』。現在は外壁工事のために足場や仮設のゴンドラが組まれている。その姿を見上げて“防災の鬼”渡辺実氏が口を開いた。

 「急激に増えている超高層マンションの多くは柔構造(免震・耐震含む)ビルなんだよね。柔構造っていうのは耐震構造の一種と考えていい。構造物が受ける地震などの力に対し、これを弱めたり吸収させたりするような構造なんだ。柱や梁などにしなりやすい建材を使ったり、部材の継ぎ目に余裕を持たせたりするわけだけど、そうすることで地震が起こったとき、建物自体がある程度揺れることで地震エネルギーを吸収するんだよね。これビルにとっては安全なんだけど、そのビルが工事中だったりすると話は変わってくる」

 高層ビルの修繕工事は地上45メートルまでは足場を組み、それ以上は屋上から吊るしたゴンドラなどを使って行われる。地上から縦方向のレールを組み上げ、仮設のゴンドラを使用する場合もある。ただ、これらの仮設構造物に公の耐震基準は設定されていない。実際、国土交通省に問い合わせたところ、「建築基準法」にも「建設業法」にも建設工事現場での仮設足場などについての耐震基準は設定されていないとの回答を得た。つまり、それぞれの業社がそれぞれの独自基準で作業を進めているわけである。

全国で超高層マンションの大規模修繕工事ラッシュとなった20XX年。
東京都下でマグニチュード8.5の地震が発生した。
まさに大規模修繕工事中の高層マンションも多数ある。修繕現場では足場やゴンドラのレールなどの仮設構造物は、建物の揺れに合わせて同じように揺れる。
しかし、これらの仮設構造物には耐震基準がない。もっと言うと、耐震構造が施されていない。
マグニチュード8.5の地震。ビルは揺れ、仮設構造物も揺れる。
地震が終わっても、建物はしばらく揺れ続ける。その時、高く組み上げられた足場やゴンドラの垂直レールが音を立てて崩れ始めた。

 近い将来、上のようなことが起こらないとも限らない。このようなことを起こさないようにすることが渡辺氏の今回のテーマだ。

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「地上150メートルのゴンドラ上で修繕を考える」の著者

渡辺 実

渡辺 実(わたなべ・みのる)

防災・危機管理ジャーナリスト

株式会社まちづくり計画研究所代表取締役所長、日本災害情報学会理事、NPO法人日本災害情報サポートネットワーク理事長。国内外の災害現場からジャーナリスティックな提言を行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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