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「爆買い」という言葉に潜む「上から目線」

2016年1月27日(水)

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 「今年(2015年)の春節のとき、いくつかのメディアで弊社を取り上げていただいたのですが、お客様から『爆買いという表現が下品だ』という厳しいご指摘をいただきました。ひとつクレームがあったからといって、すべての取材をお断りするというわけではないのですが、“爆買い”の企画ですとちょっと……当社としてはお引き受けできかねます。すみませんが、記事のタイトルが“爆買い”以外に変わるようでしたら、ご連絡いただけますか?」

 確か8月ごろのことだった。雑誌の企画で、都内のある大手企業に取材を申し込んだところ、広報担当者からこのような返信が返ってきた。最初に取材依頼のメールを送った担当編集者も、私自身も、便宜上、「爆買い関連で中国人の動向を取材している」とは確かに書いた。だが、この単語にそれほど深い意味を込めていなかったので、一方的に「爆買いという言葉を使うならばお断り」といわれ、かなり面食らってしまった。企業の「断る理由」にも驚いたが、そのような話を聞いたのは、一連の取材をしていて初めてのことだったからだ。

 担当編集者は、その大手企業に対して、丁寧に、こう返信してくれた。

「爆買いという言葉をタイトルや見出しに使うかどうかは未定です。私たちは中国人が見境なく買い物をしていると揶揄して書くわけではなく、『日本に何を求めてきているのか』『なぜ日本で買い物をするのか』という点をきちんと分析し、掘り下げたいと思っています。爆買いという現象を、単におもしろおかしく取り上げる記事ではないことを、どうかご理解ください」

爆買いの恩恵を被っている企業までも…

 私も同じ意見だったが、結局、その企業から取材OKの返事がくることはなかった。取材を進めていくと、他の企業からも「うちの会社が爆買いに支えられていると思われるのはちょっと誤解を生じますので……」や「確かに中国人に売れていますけど、あの…具体的な商品名は出さないでいただけますか」という声が聞こえてきた。

 それまで、こうした意見を単刀直入に聞いたことはなかっただけに、私はとても驚くとともに、深く考えさせられた。「爆買いは“中国”による行動でありながら、けっこう幅広い日本人に受け入れられ、喜ばれているのかと思っていたが、それほど顧客の反応に敏感になっている企業があるとは…。しかも、爆買いの恩恵を被っている企業までも…」と思ったのだ。

 むろん、すべての企業がそうだというわけではないが(製薬会社などでは爆買い効果で売り上げが拡大したと社長が公言しているところもある)、このような声が一体何を意味しているのか、私は興味を持ち、探ってみたいと思った。企業がこのような発言をするからには、爆買い現象(というか、おそらくそれに付随する中国人の秩序の行動)を快く思っていない人々が少なからずいて、そのことに企業がセンシティブになっているということだ。もしかしたら「爆買い」は、単なる流行語というだけではなく、今のギクシャクした日本人と中国人の微妙な心理を現わしている象徴的な言葉なのではないだろうか? と思い始めたのだ。

 それから、私は「爆買い」という言葉をどう思うのかについて、取材先や知り合いに聞いてみることにした。すると、何人もの日本人から否定的な意見が飛び出した。

コメント21件コメント/レビュー

言葉の持つイメージとして『爆買い』がどうあれ、中国からの団体旅行者達が、大量に外国でまとめ買いする状況を指すものでしょう。(日本に限らずです)高度成長期の頃は、わが日本人団体旅行者は、海外で大概の事をやり散らかしてきたのは事実でしょう。当時こそ日本人に対して、『エコノミックアニマル』と揶揄され、新聞のコラムに日本人は「眼鏡をかけた出っ歯の猿顔小人」的な表現で、それこそ「上から目線」で叩かれ、果ては「黄禍論」まで飛び出したことをお忘れか。『爆買い』という言葉に、上から目線と中国人に感じられることは考えすぎ。言われる通り、日本人だからこそそう感じる部分があるかもしれないが、相手はそんなことは思わないと思う。なぜならそれが中国人そのものだからでしょう。それより、次の爆買いが日本の過疎化・高齢化・空き家化した、日本そのものに向かうかもしれませんよ。これから土地も家も安くなるだろうし、格好の買い物ですよね。それこそ、「労せず、国を合法的に支配できる」下地が出来ると言うものです。(2016/01/28 12:52)

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「「爆買い」という言葉に潜む「上から目線」」の著者

中島 恵

中島 恵(なかじま・けい)

ジャーナリスト

1967年、山梨県生まれ。1990年、日刊工業新聞社に入社。退職後、香港中文大学に留学。1996年より、中国、台湾、香港、東南アジアのビジネス事情、社会事情などを執筆している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

言葉の持つイメージとして『爆買い』がどうあれ、中国からの団体旅行者達が、大量に外国でまとめ買いする状況を指すものでしょう。(日本に限らずです)高度成長期の頃は、わが日本人団体旅行者は、海外で大概の事をやり散らかしてきたのは事実でしょう。当時こそ日本人に対して、『エコノミックアニマル』と揶揄され、新聞のコラムに日本人は「眼鏡をかけた出っ歯の猿顔小人」的な表現で、それこそ「上から目線」で叩かれ、果ては「黄禍論」まで飛び出したことをお忘れか。『爆買い』という言葉に、上から目線と中国人に感じられることは考えすぎ。言われる通り、日本人だからこそそう感じる部分があるかもしれないが、相手はそんなことは思わないと思う。なぜならそれが中国人そのものだからでしょう。それより、次の爆買いが日本の過疎化・高齢化・空き家化した、日本そのものに向かうかもしれませんよ。これから土地も家も安くなるだろうし、格好の買い物ですよね。それこそ、「労せず、国を合法的に支配できる」下地が出来ると言うものです。(2016/01/28 12:52)

すっかり忘れてましたが、中国政府の言う通り、日本人もバブルの頃に、大挙してパリのブランド店に押し寄せて、「爆買い」をしてましたね。中国人の「爆買い」に日本人が驚いた位ですから、その当時の欧米人も、日本人の旺盛な購買行動に驚いたはずです。「爆買い」する日本人の姿を見て、当時の欧米人も眉をひそめたはず。その頃の彼らは、なんて呼んでいたのでしょうね。多分、上流階級御用達のお店に日本の庶民がマナーそっちのけで群がる様子を目の当たりにして、蔑みの言葉を吐いたことと思います。(2016/01/28 12:37)

この方は銀座の「空港型免税店」の意味をご存知ないのでしょうか?あれは、中国人を一箇所に集めて、「日本人のお客様が他のフロアでゆっくりお買い物できるように」作られたのです。ついでに観光バス専用の隔離駐車場があれば大丈夫!
別に私は中国人をバカにしているのではありません。日本人の田舎者だって中国人と同じ人数が来ればやっぱり不愉快です。要は、生活水準の違う群衆は迷惑というだけです。
中国人だって、極少数のちゃんとした人達には、何も悪い感情は持ちません。
とにかく、訪日中国人の数が多すぎ、結果、質が低下して迷惑になっているということです。(2016/01/28 07:08)

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