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あなたの会社がやがて直面する「小保方問題」

河合薫×入山章栄 対談(下)

2016年1月20日(水)

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河合薫氏(左)と入山章栄氏(写真:稲垣純也、以下同)

国を挙げて女性活躍を訴える現代のニッポン。マイノリティの苦悩を理解しない「ダイバーシティ」施策ほど害になるものはない。日本のリーダー層に欠けている視点は何か。入山章栄・早稲田大学ビジネススクール准教授が、健康社会学者の河合薫さんに迫る対談、後編。(構成:片瀬京子)

入山:河合さんの話を伺いながら経歴を拝見すると、ずっとアウトサイダー、チャレンジする側にいたように見えます。

河合:アラバマから日本へ帰ってきても帰国子女としてマイノリティでしたし、今もマイノリティですね(笑)。ただ、CA(客室乗務員)のときにどこにいっても「国際線のスッチーなんだって」って肩書きで見られるのがイヤで、「自分の言葉で伝える仕事がしたい」なんて辞めちゃったもんですから。コレ(右腕をポンポンと叩く)で生きていってやるって、覚悟だけはできました。ですから今も、どこの大学にも所属せずに地味に研究を続けています。

入山:大学のような大きな組織に所属しようと思ったことはないんですか。

河合:博士課程を修了するときに、正直少し迷いました。でも、なぜCAを辞めたのか?って初心に立ち返ると、なしだなって。もともと協調性がないので、自由に泳いでないと息苦しくてダメになると思います。

 ただ、日本では大きな組織に所属していないと、最初の間口はものすごく狭くなるので、正直しんどいです。そこは地道にやるしかないんですよ。結局は、その先で何をするか、何ができるか、で決まりますから。所詮、属性は属性でしかない。中身を磨くしかない。どんなに立派な組織に所属しても、中身がなければ淘汰される。どこにも所属していないと、多少、踏ん張る力と忍耐が必要になりますけど、狭く険しい道を歩けば歩いた分だけ鍛えられます。

 でもおそらく他の人の目には、スッチー、ニュースステーション、日経ビジネスオンラインと来たら、楽をして王道を歩いてきたようにも映るでしょうね。もちろん私に機会を作ってくれた方たちのおかげですが、その機会を生かすために、ちょっと頑張ってあがいてる自分もいるんですよ。

「女で東大博士」だけでは渡れない

入山:本当は、あがいているのは「ちょっと」ではないですよね。

河合:「女で、元スッチーで東大だったからでしょ」という人もいます。女をウリにして飯が食えるなら、エステに通い詰めてピカピカにして、もっと色っぽくなるようにアレコレ頑張ります(笑)。でも、残念なことに世の中そんなに甘くない。お金を稼ぐって、ものすごく大変なことです。仕事ひとつひとつが、次の仕事の営業ですから。常に120%を目指して仕事しないと。それでも上手くいかないことの方が多いんですから。

入山:それは、河合さんが王道でない道を、いろいろとブチ壊しながら来たから言えることでしょうね。一方では王道のど真ん中を歩いてきたような人たちには、河合さんのような人を理解するのは難しいかもしれません。つまり、先ほどの「ダイバーシティを受け入れる側の問題」に繋がります。

河合:個人の能力を最大限に引き出し、企業の生産性を高めるには、環境からのアプローチと個人からのアプローチがあります。環境が変われば確かに人は変わりますが、しかし、環境だけでは変わらない部分があります。やはり、個人にアプローチして、ものの見方、受け止め方を変えなくてはなりません。

コメント8件コメント/レビュー

STAP事件だけを考えると女性びいきのなれの果てに見えますが、世界三大研究不正の他の二つ、シェーン事件、ファン・ウソク事件はどちらも男、佐村河内氏も男、である事を考えると、女性びいきのための不正はむしろ少ない方?と思えてしまいます。
まあ、今までは男社会だったから少なかった、これから増えるという事は有りうるのかも知れませんが。(2016/01/21 16:32)

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「あなたの会社がやがて直面する「小保方問題」」の著者

入山 章栄

入山 章栄(いりやま・あきえ)

早稲田大学ビジネススクール准教授

1996年慶応義塾大学経済学部卒業。98年同大学大学院経済学研究科修士課程修了。2008年、米ピッツバーグ大学経営大学院より博士号(Ph.D.)を取得、米ニューヨーク州立大学ビジネススクール助教授を経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

STAP事件だけを考えると女性びいきのなれの果てに見えますが、世界三大研究不正の他の二つ、シェーン事件、ファン・ウソク事件はどちらも男、佐村河内氏も男、である事を考えると、女性びいきのための不正はむしろ少ない方?と思えてしまいます。
まあ、今までは男社会だったから少なかった、これから増えるという事は有りうるのかも知れませんが。(2016/01/21 16:32)

本文中の下駄を履かせるの件の通り、結局の所、良く無い事になる、逆差別で公平ではない事から、ハリボテの下駄は無くす方向で統一すればよいと思う。失敗の件は、失敗を許さない空気と、失敗を許す余裕を失ってきているから。人間というハードは殆ど変わっていないのに、例えばオリンピックの記録のように常に昔より上が求められる。自動車の燃費でもそう、右肩上がりが求められても、物理的な限界がある上で何処までも求められる。ここで目標といえど前年比等で年々上げられたら。上手く行かない時もあるのに。それが失敗を許さない、又は不正につながる。世界的社会運営の問題。(2016/01/20 22:54)

河合さんって大学講師もされているんですね。ポップアップに出てくる経歴には出てきませんね。多くの人は非常勤でも書きたがると思っていたのですが、このあたり個人で結果を出したいという意思のあらわれでしょうか。私はそのような行動は尊敬します。肩書きや経歴に頼らないで結果をだすのは大変ですからね。ただ誰でも個人で結果がだせるわけではないので、そのあたりは配慮してくださいね。
▽サーチ活動という言葉を使っていますが、内省するかですよね。ビジネス書でもそこに触れているものは沢山あるように思います。でも、日本で失敗を認めるようになってきたというのはちょっと疑問です。起業などに対しては多少マシになったのかもしれません。しかし、記事にある小保方問題など一つ失敗すると叩きまくる典型な気がします。学会誌に載った論文で追試できないことなど珍しいことではないのに異常な叩かれ方でした。確かに女性を前面に出した宣伝はいただけなかったです。だけど、一つの論文の失敗で犯罪者扱いはちょとひどすぎると思います。他にも、いまだに新卒採用をつづけている企業がほとんどなのも失敗を認めない風潮の一つだと思います。(2016/01/20 21:43)

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