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中期経営計画という病が企業をダメにする

2015年11月17日(火)

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入山章栄・早稲田大学ビジネススクール准教授(写真=陶山勉)

 久しぶりの記事配信になりました。実は2012年12月から30回近く続けてきたこの連載「MBAが知らない 最先端の経営学」が、大幅な加筆・修正のうえ『ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学』として11月24日に日経BP社から刊行されることになり、その執筆・編集作業に追われていました。本書書下ろしのコンテンツも豊富にあり、日本では通常知り得ない「世界最先端のビジネス知」が盛りだくさんですので、ぜひ手に取っていただければと思います。

 さて、今回はその本でも書ききれなかった、私が米国から帰国して日本のビジネスパーソンと交流を深めていく中で気づいた、重要な視点を議論しましょう。それは、いわゆる「中期経営計画(中計)」についてです。

日本企業にはびこる「中計病」

 みなさんの企業でも、中計を立てられるところは多いはずです。最近なら、経営再建中のシャープの中計が話題になりました。しかし、「どうもこの中計にとらわれていることこそが、日本企業の問題の一つなのではないか」というのが、経営学からみた私の問題意識なのです。実際、企業の現場で実際に中計策定に携わっている方々の中には、中計を作るだけで疲弊しきってしまうところもあるようです。中計は、現場を疲弊させてまで作る意味があるのでしょうか。

 この視点を最初に提示したのは実は私ではなく、私が親しく交流させていただいている、デロイトトーマツコンサルティングのパートナーの日置圭介氏です。日置氏は、日本企業が中期経営計画策定に翻弄される様子を「中計病」とまで名付けています。私も日置氏と議論する中で問題意識を共有するようになりました。今回は経営学者の立場から、「中計病」の経営理論による解説を試みたいと思います。

 中計の最大の問題は、その期間設定です。日本の典型的な大企業の中期経営計画は、多くが「3年」計画となっています。3年という期間は、企業戦略をたてるという意味で、実に中途半端に短い期間です。サラリーマン社長の任期期間に合わせているのかもしれません。この3年という中途半端さこそが、日本企業の成長力を失わせる遠因になっているのではないか、というのが私の問題意識です。

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「中期経営計画という病が企業をダメにする」の著者

入山 章栄

入山 章栄(いりやま・あきえ)

早稲田大学ビジネススクール准教授

1996年慶応義塾大学経済学部卒業。98年同大学大学院経済学研究科修士課程修了。2008年、米ピッツバーグ大学経営大学院より博士号(Ph.D.)を取得、米ニューヨーク州立大学ビジネススクール助教授を経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師