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健全な日本企業は「袖の下」競争で負けていく

新興国における「非市場戦略」の重要性

2015年11月26日(木)

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入山章栄・早稲田大学ビジネススクール准教授(写真=陶山勉)

 本連載では、一昨年まで米ビジネススクールで教鞭をとっていた筆者が、世界の経営学の知見を紹介していきます。ちなみに筆者は、11月24日に日経BP社から『ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学』という本を刊行しました。日本では通常知り得ない「世界最先端のビジネス知」を、日本企業への示唆を交えて事例も豊富に分かりやすく紹介していますので、ぜひ手に取っていただければと思います。

 今回はそこで書き切れなかった、近年経営学で急速に研究が進んでいるテーマについて紹介します。それは「袖の下」、いわゆる「賄賂」の研究です。賄賂とまでいうと少々言葉がきついかもしれませんが、コンプライアンスやガバナンスが厳しく問われる今こそ、向き合うことが必要な議論ではないでしょうか。

 中でも私が議論したいのは、新興市場でビジネスを進める上での「袖の下」です。日本企業にとって、インドなど南アジア諸国、東南アジア、中国、中東、あるいはアフリカなどの新興市場が今後さらに重要になることは間違いありません。しかし、これら新興市場での「袖の下戦略」において、日本企業は大きなハンディキャップを抱えているのではないか、というのが私の問題意識だからです。

 この点を議論するためにまず紹介したいのが、「制度の隙間」という考え方です。

市場メカニズムが働かない新興市場

 「制度の隙間(Institutional Void)」は、近年の国際経営学研究できわめて重視されています。ラフにいえば、これは「国と国の間の行政制度・法制度・商慣習などの違いに注目すること」です。同じビジネスでも国によって適用される法制度の質や、その制度がどのくらい健全に運用されるかは、大きく異なるからです。

コメント17件コメント/レビュー

多くの新興国では接待費、交際費の全額損金算入場合が多いから日本の感覚とは違うと思う。賄賂と考えるのではなく、投資と考えないと。中国人は世界一の商売人だ。海外で大規模な案件取るために大規模なエンターテイメントを行って。そのエンターテイメントを提供している店も中国系移民が経営していることがほとんど。中国人グループが盛大なエンターテイメントをやってるそばで日本人が質素な接待をやってるのは寂しい風景。羽振りのいい人間にはお金が集まるものだ。(2016/01/04 15:45)

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「健全な日本企業は「袖の下」競争で負けていく」の著者

入山 章栄

入山 章栄(いりやま・あきえ)

早稲田大学ビジネススクール准教授

1996年慶応義塾大学経済学部卒業。98年同大学大学院経済学研究科修士課程修了。2008年、米ピッツバーグ大学経営大学院より博士号(Ph.D.)を取得、米ニューヨーク州立大学ビジネススクール助教授を経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

多くの新興国では接待費、交際費の全額損金算入場合が多いから日本の感覚とは違うと思う。賄賂と考えるのではなく、投資と考えないと。中国人は世界一の商売人だ。海外で大規模な案件取るために大規模なエンターテイメントを行って。そのエンターテイメントを提供している店も中国系移民が経営していることがほとんど。中国人グループが盛大なエンターテイメントをやってるそばで日本人が質素な接待をやってるのは寂しい風景。羽振りのいい人間にはお金が集まるものだ。(2016/01/04 15:45)

ずいぶん昔から言われていることですし、暗黙知で大体理解している内容をMBAとかなんちゃらの研究結果で出た!と言っているだけですので個人的には、「ああ、そうですね」としか感じませんでした。(2015/12/01 08:30)

 さすが、入山先生(^^)
私達も某国で、袖の下意外の「非市場戦略」で事業展開していますが、普通の企業だと、なかなか難しいのも事実でしょうね。
 コメントを書かれている方々の中で、斜に構えているオジサマ達の言葉に、興味津々でした(笑)(2015/11/28 15:41)

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