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米巨大企業の超エリートは「カツオ型」社員

組織の知を担う「回遊魚」職とは何か

2015年12月22日(火)

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写真はマイワシの群れ

 本連載では、一昨年まで米ビジネススクールで教鞭をとっていた筆者が、世界の経営学の知見を紹介していきます。ちなみに、筆者は11月末に日経BP社から『ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学』という本を刊行しました。

 日本では知り得ない「世界最先端のビジネス知」を、日本企業への示唆を交えて、分かりやすく紹介しています。発売して1カ月ですが、かなり大きな反響をいただいていますので、未読の方はぜひ手に取っていただければと思います。

 今回は、拙著でも紹介した経営理論に関連する、しかしそこでは十分に書ききれなかった先端の視点から、日本企業の人事制度・人材育成への示唆を探っていきましょう。 それはトランザクティブ・メモリー(TM)の活用です。

 実は、「米IBMのような海外の巨大グローバル企業の方が、トランザクティブ・メモリーの考えを人事・組織制度に取り込んで能力を上げており、日本企業は立ち後れているのではないか」 というのが、私論なのです。以下、順を追って説明しましょう。

情報共有に必要なのは「Who knows what」

 拙著で紹介しましたが、トランザクティブ・メモリー は米ハーバード大学の社会心理学者ダニエル・ウェグナーが1980年代に提唱して以来、世界の組織学習研究で欠かせないものになっています。それは「情報の共有化・企業の記憶力」についての理論です。

 言うまでもなく、企業は人の集合体です。企業には、様々な人々が自身の専門性・業務経験・取引先との付き合い等々から、多様な知見を持って集まっています。したがって、そういった様々な知・情報は、組織内で「共有」されてこそ、強みを発揮します。

 しかし問題は、一般に「情報の共有化とは、組織の全員が同じことを覚えること」だと思われていることです。

 もちろん、そうなれば素晴らしいのですが、個人の認知・記憶力には限界がありますから、現実にはそれは不可能です。特に数百人、数千人、あるいは数万人という大企業において、その全員が同じ情報を共有できるはずがありません。

 それに対してトランザクティブ・メモリーは、「組織学習に重要なのは、全員が同じことを覚えていることではなく、『組織の誰が何を知っているか』だけを全員が知っていること」という考え方です。英語で言えば、組織に重用なのは「What」の共有ではなく、「Who knows what」の共有ということです。

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「米巨大企業の超エリートは「カツオ型」社員」の著者

入山 章栄

入山 章栄(いりやま・あきえ)

早稲田大学ビジネススクール准教授

1996年慶応義塾大学経済学部卒業。98年同大学大学院経済学研究科修士課程修了。2008年、米ピッツバーグ大学経営大学院より博士号(Ph.D.)を取得、米ニューヨーク州立大学ビジネススクール助教授を経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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