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閣僚人事で占うトランプ・ラリーの持続性

根拠なき楽観は捨てよ

2017年1月12日(木)

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労働長官に指名されたアンドルー・パズダー氏(右)は、果たして最低賃金を引き上げるか(写真:AP/アフロ)

 米国の大統領選におけるドナルド・トランプ氏の勝利をきっかけに日米の株式市場は上昇。為替市場では円安(ドル高)が進みました。いわゆる「トランプ・ラリー」です。

 このトランプ・ラリーには賛否両論があります。1つは「大規模な減税やインフラ投資で米国をはじめとする世界の経済成長が加速。株価も上昇する」といった楽観的な見方です。

 もう1つは、「トランプ氏は公約通りに保護貿易策や移民に対する規制強化を実施する。そうなれば内向き志向が世界的に強まり、経済も株式市場も停滞する」との慎重な見方です。

 トランプ政権の閣僚・閣僚級高官(以下、単に閣僚)人事がほぼ出そろいました。今回はこの閣僚人事を手掛かりにトランプ・ラリーの持続性について考えてみます。

曲者ぞろいのトランプ政権

 トランプ氏の閣僚人事の特色は、一癖も二癖もありそうな人物が多いことです。バランス感覚や協調性に富んだ人物よりも、強い信念を持ち、それに向かって突き進むタイプが多いように見えます。

 例えば、司法長官に指名されたジェフ・セッションズ上院議員。共和党内でも屈指の保守強硬派といわれ、白人優越主義者の秘密結社クー・クラックス・クラン(KKK)を肯定的に語ったこともある人物です(後で否定しました)。不法移民に対する厳しい態度でも知られています。このセッションズ氏が司法長官として移民問題に携わる可能性が高い。そうなれば、トランプ政権の移民対策は当然かなり厳しいものになると予想されます。

 労働長官に指名されたアンドルー・パズダー氏は大手ファストフード・チェーン、CKEレストランツの最高経営責任者(CEO)です。バラク・オバマ大統領が進めた最低賃金の引き上げや労働規制への反対派として知られています。

 大統領選において、トランプ氏は当初、最低賃金の引き上げに慎重でした。それが、ライバルのヒラリー・クリントン氏が引き上げを主張したことから、途中で引き上げ支持に転じたのです。しかし、この人事を見ると最低賃金引き上げは口先だけで、本気で実行する気はないように思えます。

 厚生長官に指名されたトム・プライス下院予算委員長は整形外科医でもあります。オバマ氏の医療制度改革(オバマケア)に強く反対してきた人物で、トランプ氏はプライス氏の起用について、オバマケアを廃止する(または新たな制度との置き換え)ためのものであると明言しています。

 エネルギー長官に指名されたリック・ペリー前テキサス州知事は地球温暖化に懐疑的で、オバマ政権のシェールガス・オイル採掘規制に反対しています。

 また環境保護局(EPA)長官に指名されたスコット・プルイット・オクラホマ州司法長官は地球温暖化に関する規制に反対で、オバマ政権が導入した火力発電所の排出規制の無効を求めて訴訟を起こした人物です。この訴訟は最終的に全米の半数以上の州が加わる集団訴訟になり、オバマ氏在任中の規制導入を阻むこととなりました。そのため、プルイット氏は規制反対派から功労者として評価されています。

コメント1件コメント/レビュー

直接筆者の記述に異論はなく、勉強になった。御大の登場は唐突、突如、或いは時よ時節あらわれるべくして現れたモモンジャーのように扱う米国人のいる印象の一方、また至極自由な風情が羨ましい。さすが今ある民主主義信奉並びに政治制度下の社会に相違ないと確信する。予想外だの想定外だのと結果から評定する事は自由で許される。課題は先行きを想定して言挙げする有象無象にある。筆者も言う根拠なき楽観があるなら対極に悲観もある。単に斯様な見方や考えがあるショーケースに止まらず其処を超えて政治経済施策の良し悪し功罪を言うのは占いに他ならない。此処からは個々人の考える力に委ねればいい。記事を奇貨として矛先を変えてと言うかつくづく思った事は、御大の選挙前と後、そして大統領就任という厳粛な現実に遭って、万機公論に決することをコアとしている民主主義の元標である、「伝えるつなぐ」を果たしてマスコミュニケ―ションは果たしているのだろうかと気がかりになった。知る権利と伝えるつなぐ義務を言う割には、安っぽいおまとめアンケート提供とは大違い、実損実害の大きいミッションを背負っていることをマスコミュニケ―ションは真摯に考える必要ありと考えるが如何。(2017/01/12 11:52)

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「閣僚人事で占うトランプ・ラリーの持続性」の著者

門司 総一郎

門司 総一郎(もんじ・そういちろう)

大和住銀投信投資顧問/経済調査部部長

アジア株ファンドマネージャー、チーフストラテジスト、投資戦略部長などを経て、2014年より経済調査部部長。 同社ホームページに「市場のここに注目」を掲載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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直接筆者の記述に異論はなく、勉強になった。御大の登場は唐突、突如、或いは時よ時節あらわれるべくして現れたモモンジャーのように扱う米国人のいる印象の一方、また至極自由な風情が羨ましい。さすが今ある民主主義信奉並びに政治制度下の社会に相違ないと確信する。予想外だの想定外だのと結果から評定する事は自由で許される。課題は先行きを想定して言挙げする有象無象にある。筆者も言う根拠なき楽観があるなら対極に悲観もある。単に斯様な見方や考えがあるショーケースに止まらず其処を超えて政治経済施策の良し悪し功罪を言うのは占いに他ならない。此処からは個々人の考える力に委ねればいい。記事を奇貨として矛先を変えてと言うかつくづく思った事は、御大の選挙前と後、そして大統領就任という厳粛な現実に遭って、万機公論に決することをコアとしている民主主義の元標である、「伝えるつなぐ」を果たしてマスコミュニケ―ションは果たしているのだろうかと気がかりになった。知る権利と伝えるつなぐ義務を言う割には、安っぽいおまとめアンケート提供とは大違い、実損実害の大きいミッションを背負っていることをマスコミュニケ―ションは真摯に考える必要ありと考えるが如何。(2017/01/12 11:52)

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