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消費増税は毅然として実行せよ

目先の景気対策よりも将来のための成長戦略を

2016年3月29日(火)

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 最近にわかに消費増税再延期論が高まってきました。安倍晋三首相の気持ちも再延期に傾きつつあるように見えます。今回は消費増税先送りの可能性と、それが日本株に与える影響について考えてみます。

安倍首相は2014年11月、消費増税の延期について信を問うべく衆院を解散した(写真:AP/アフロ)

選挙と株安が消費増税先送り論を呼ぶ

 ます消費増税の再延期を主張する声が高まった背景について考えます。根底にあるのは国内景気の弱さです。2015年10~12月の日本の実質GDP(国内総生産)成長率は前期比年率でマイナス1.7%でした。16年1~3月も、日本経済センターが集計したエコノミストの平均予想ではプラス0.8%となっていますが、マイナス成長を懸念する声も少なくありません。

 2四半期連続でマイナス成長となれば、景気後退と見なされる可能性がある。こうした景気の弱さが消費増税再延期論が出てくる根本的な理由です。

(図表1)日本の実質GDP成長率(四半期、前期比、年率換算)
出所:ブルームバーグより大和住銀投信投資顧問作成

 ただし、景気の状況や見通しが、ここに来て急に悪化しているわけではありません。例えば政府は3月の月例経済報告で景気判断を引き下げましたが、個別に見ると設備投資や輸出の判断を逆に引き上げています。景気の状況が急変したわけではないのに消費増税再延期論が高まったことには他に理由があります。1つは選挙、もう1つは株安です。

 7月には参議院選挙が控えています。与党の候補者としては、増税を理由に対立候補に攻撃されるのは避けたいところ。例えば自民党の溝手顕正参院議員会長はテレビ番組で消費増税の延期と衆参同時選挙の可能性に言及しました。こうした自民党内部、特に今回選挙を控えている参院議員の声が、先送り論の1つの出所になっている模様です。

 ただし、自民党でもすべての議員が先送りに賛成というわけではありません。麻生太郎財務相や谷垣禎一幹事長などは予定通り消費税率を引き上げるべきとの立場です。また公明党も予定通りの税率引き上げを支持しています。この点については後程改めて触れます。

 もう1つの理由は年初からの株安です。株式市場関係者の中にはお上の政策頼みの論者が相変わらず大勢います。こうした論者からは当然のように消費増税先送り論が出ています。

コメント21件コメント/レビュー

消費税が8%に上がる前までは、まちがいなく消費と賃金上昇の傾向が有り、円安で製造業は薄日が射していました。私の周囲を見れば、上昇の機運をへし折ったのは消費増税です。
現在これだけの低迷を招いているのを回復させようと本気で思うなら、増税延期ではなく5%に戻すことです。それでようやく増税前の状態に向かうでしょう。
近所の商店で毎週木曜日に8%割引デーをやっておりますが、開店から閉店まで駐車場まで列ができ、夕方以降はあちこちの棚に空間ができています。私も、つい急には不要の物まで買ってしまい、その特売日ができる前より購入量が増えてしまいました。これこそ、消費税に対する庶民の答えであり、消費行動だと思います。
もし消費税を無くしたら、日本全国で大変な消費喚起になると、その光景を見るたびに思います。

あと、家族が医療公務員ですが、患者さんに直接接する業務の人は皆自腹で医療事故や訴訟に備え保険に加入しています。それに対して官僚や年金機構の担当者、事務系公務員はミスをしようと、血税を溶かそうと、明確な責任を取らない、名前も出ない。まだ議員や政党は結果に対して選挙という評価を受けるのに、無責任です。(2016/03/31 02:34)

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「消費増税は毅然として実行せよ」の著者

門司 総一郎

門司 総一郎(もんじ・そういちろう)

大和住銀投信投資顧問/経済調査部部長

アジア株ファンドマネージャー、チーフストラテジスト、投資戦略部長などを経て、2014年より経済調査部部長。 同社ホームページに「市場のここに注目」を掲載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

消費税が8%に上がる前までは、まちがいなく消費と賃金上昇の傾向が有り、円安で製造業は薄日が射していました。私の周囲を見れば、上昇の機運をへし折ったのは消費増税です。
現在これだけの低迷を招いているのを回復させようと本気で思うなら、増税延期ではなく5%に戻すことです。それでようやく増税前の状態に向かうでしょう。
近所の商店で毎週木曜日に8%割引デーをやっておりますが、開店から閉店まで駐車場まで列ができ、夕方以降はあちこちの棚に空間ができています。私も、つい急には不要の物まで買ってしまい、その特売日ができる前より購入量が増えてしまいました。これこそ、消費税に対する庶民の答えであり、消費行動だと思います。
もし消費税を無くしたら、日本全国で大変な消費喚起になると、その光景を見るたびに思います。

あと、家族が医療公務員ですが、患者さんに直接接する業務の人は皆自腹で医療事故や訴訟に備え保険に加入しています。それに対して官僚や年金機構の担当者、事務系公務員はミスをしようと、血税を溶かそうと、明確な責任を取らない、名前も出ない。まだ議員や政党は結果に対して選挙という評価を受けるのに、無責任です。(2016/03/31 02:34)

反原発論者と同じ思考回路ですね。
論理的な考証無しで、ただ自分の思っていることを唱えるのみ。まあ、増税して失敗しても論者がなにか補償でもするわけでもないからいいのでしょうが、言論の自由といっても、いい加減なプロパガンダが許されるわけでもないですよ。(2016/03/30 16:31)

5%から8%に上がった時、増税分は社会福祉に利用すると聞かされていたように思うのですが、保育園が増園されて待機児童が無くなったとか、介護が必要になった親を施設に待機無く預けられたというような話は一切聞こえてきません。庶民が増税分のリターンを感じていないのに、さらに増税されれば、政治への不信感が強まるのではありませんか?(2016/03/29 11:06)

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