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「面」で見る成長戦略

日本再興戦略で日経平均は2万5000円へ(後編)

2015年6月23日(火)

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 前回に続き、2015年版「日本再興戦略」(以下、15年版)を手掛かりに「成長戦略で株高」シナリオについて検討します。

 今回はまず前回紹介したコーポレートガバナンス強化(以下、ガバナンス強化)以外の施策の進捗状況をチェックします。その後で、成長戦略を「点」で捉える場合と「面」で捉える場合とで、株式市場に与える影響にどのような違いが生じるかについて考えます。ここでいう「点で捉える」とは、それぞれの施策を個別に見る見方を言います。一方、「面で捉える」とは、成長戦略全体を1つのものとして見る見方です。

3つのアクション・プラン
出所:日本再興戦略(2013年6月)より大和住銀投信投資顧問作成

経済の好循環と賃上げ

 前回述べたように、15年版で実績の筆頭として紹介されるのはガバナンス強化と見ています。成長戦略の最重要課題である経営者のマインド転換を実現したことが理由です。

 その次に評価されると予想しているのが、賃金引き上げの環境整備(以下、賃上げ)です。経済の好循環が動き出すにあたって大きな役割を果たしたことが理由です。

 安倍晋三首相がしばしば言及する「経済の好循環」は(企業収益拡大)→(雇用増・賃上げ)→(家計の所得拡大)→(消費支出増)→(企業収益拡大)…のサイクルです。このサイクルのポイントは企業の収益を家計に分配するプロセスにあります。そこで重要な役割を果たすのが賃上げです。

 「分配」は「成長」と対立する概念として用いられることがあるため、賃上げを成長戦略とすることには違和感があります。にもかかわらず安倍首相がこれを成長戦略に盛り込んだ理由は「企業(特に大企業)だけが富む成長は持続しない。持続的な成長のためにはあらゆる経済主体に恩恵を行き渡らせることが必要」と考えたためでしょう。

 中国の経済改革を主導した(鄧小平氏の「白猫・黒猫論」のように「豊かになれるところから豊かになる」と考える方が成長戦略としては一般的です。しかし、ピケティブームに見られるように「富の集中」や「格差」が世界的な問題になっている現在、「白猫・黒猫論」的な成長戦略は、社会の不安定を増幅することになりかねません。そういう意味は安倍首相の配慮は適切なものと思われます。

 前回述べた心理的な効果を盛り込んだことに加えて、分配を盛り込んだこともアベノミクスの成長戦略のユニークな点の1つです。

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「「面」で見る成長戦略」の著者

門司 総一郎

門司 総一郎(もんじ・そういちろう)

大和住銀投信投資顧問/経済調査部部長

アジア株ファンドマネージャー、チーフストラテジスト、投資戦略部長などを経て、2014年より経済調査部部長。 同社ホームページに「市場のここに注目」を掲載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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