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伊勢志摩サミットのPRは「見ていられない」

見れば見るほど不安になる

2016年3月4日(金)

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(イラスト=鶴野 充茂)

 5月にG7サミットが開催される三重県では、注目を集めるチャンスとばかりに情報発信に力を入れているようですが、あまりのナンセンスぶりで、見ていられないレベルになっています。

 しかしこれは、地方行政機関の広報でよく見られる、ある意味で理想の「ダメな例」かと思いましたので、いつものように動画を参考にしながら、今回は真面目にその改善のポイントについて考えてみたいと思います。

 ネット動画はアイデアの宝庫、それでは今週もいってみましょう。

「動画制作しました」ページで動画が見られない

 G7サミットのような大イベントの開催地に決定すると、地元はその準備に追われます。各国要人そして国際メディアが多数訪れ、地元発のニュースが世界に発信される中で、テロなどの危険から安全を確保し、日程がスムーズに進行できるようにしなければなりません。訪問客にもまたスムーズに行動できるよう、不慣れな人が情報を探す場合にもまたスムーズに見つけてもらえるよう、きめ細やかな配慮と支援が求められます。

 そう。ホストに期待される共通キーワードは「スムーズ」です。

 一方で注目が集まるこの時期に、地元としては、その良さを知ってもらい、長期的なスパンで観光客を呼び込み地元産業の活性化につなげたいと考え、積極的に情報発信をします。見てもらいたい、知ってもらいたい情報をどのようにしてたくさんの人に伝えられるかが工夫のしどころです。

 そんな中、三重県は3月1日、PR動画を制作したと発表し、県庁のサイトにその告知ページを公開しました。

 タイトルは「伊勢志摩サミットを契機とした三重県PR動画を制作しました(こちら)」というものです。

 一体どんな動画を作ったんだろう。そんな好奇心から三重県庁のページを訪れると、しかし、思わぬ仕打ちに合います。

 実際に見にいくと分かりますが、動画はそこにはなく、代わりにPDFファイルがリンクされていて、その「動画CMが放映される場所」が書いてあるだけなのです。

 こんな告知ページを作って、なぜおかしいと思わないのか、不思議で仕方ありません。

 動画は、たとえばこの場合、YouTubeのコードを1つ埋め込むだけで、そのページ上で見てもらうことが可能です。技術的にも決して難しい話ではない。

 三重県はこれまでも動画を活用した広報に力を入れてきており、地元出身のスポーツ選手や有名人が登場するUターンをテーマにした動画(こちら)を制作したり、外国人誘致を目的とした動画活用に予算を取ったり(こちら)しているので、方法が分からないとも考えにくい。

 「こちらにあります」とリンクを貼るだけでも、ユーザーにはひと手間かけますが、興味のある人に、すぐ見てもらうことができます。それもない。

 興味を持っても、スムーズに見られない導線。制作したとしながら、見せたくないかのような疑問を抱かせる告知なのです。

 情報を探しに来た人にできるだけ手間を少なくその場で見せる、伝える。ネット上であれば、情報にアクセスするためのクリックの数を1つでも少なくする。それが「スムーズ」に案内するために不可欠な工夫であろうと思います。

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「伊勢志摩サミットのPRは「見ていられない」」の著者

鶴野 充茂

鶴野 充茂(つるの・みつしげ)

ビーンスター株式会社 代表取締役

コミュニケーションの専門家として幅広く活躍。リーダーに効果的な伝え方をアドバイスするほか、全国規模のPRプロジェクトに携わる。著書は30万部超のベストセラー「頭のいい説明すぐできるコツ」など二十数冊。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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