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五輪組織委は“東大話法”をすぐ止めましょう

2015年9月4日(金)

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 国民の理解が得られないことを理由に取り下げが決まった五輪エンブレム。五輪組織委(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会)の事務総長は、理解が得られる新たなエンブレムを早急に開発すると言います。しかし会見を見る限りでは、この先も同じような問題が繰り返し起きそうです。「支持」を得るどころか国民の声を軽視する印象しか伝わってこないからです。

 このコラムは実務で活かせる効果的なコミュニケーションを主題にしていますので、現段階で目的とする「支持」を得るために、必要な条件をいつものように動画を見ながら考えてみたいと思います。

 ネット動画はアイデアの宝庫、それでは今週もいってみましょう。

主体性がない

 五輪エンブレムの撤回に至る過程で、結局、何が悪かったか、どの段階で何をすべきだったかについては、すでにたくさんの人たちがそれぞれの視点で論じていますので、ここでは今の段階でできることを考えることにしたいと思います。

 9月1日の会見で東京2020組織委員会の武藤敏郎事務総長は、「私どもとしては、東京大会を象徴するエンブレムとして、国民の皆さまに広く愛される、支持されるエンブレムを作って参りたい」と言いました。

 これが現在の目標です。

 主体的な、積極性のある目標に聞こえたんです。

 ところが、記者会見における武藤事務総長の説明を振り返ると、どうも言葉通りには受け取れません。

 どういうことか。

 全文を追ってみても、撤回理由の長い説明は、

 「問題がなかったわけではないが、専門家の意見を聞き、みんなで相談して次に進みます」ということに尽きるからです。

 ここで忘れてはならないのは、エンブレムの選考そして所有の主体は組織委員会であるということです。

 なので、決定したエンブレムに問題が起きても、エンブレム選定の仕組みに瑕疵があっても、決定したエンブレムが支持されなくても、主体は組織委員会ということになります。

 今回、記者会見で繰り返し出た質問は、次にどうするという前に、デザイナーを含むエンブレム自体の問題と、選定の仕組みの問題と、支持が得られなかった問題とその責任を問題の主体である組織委員会がどう考えているのかということでした。

 世間の関心としては、これをはっきりさせずに次には進めない。

 ところが武藤事務総長は、これに対してまったく主体性の感じられない回答をします。

 「大勢の人が関与し、いろんな手続きをとって、この問題をいかに進めるかというのが非常に大事だと思います。誰か1人がいいから決めたんだというようなことであってはならない。むしろいろんなかたちで専門家が関与して、みんなが責任を分担してこういう結論を出すと、誰かひとりが責任をもって結論を出すということではないと思います。もちろん組織としては、トップが責任を持つという論理はわかりますけれども、分解して誰かに責任があるのかという議論はするべきでないし、またできないだろうというふうに思います。」

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「五輪組織委は“東大話法”をすぐ止めましょう」の著者

鶴野 充茂

鶴野 充茂(つるの・みつしげ)

ビーンスター株式会社 代表取締役

コミュニケーションの専門家として幅広く活躍。リーダーに効果的な伝え方をアドバイスするほか、全国規模のPRプロジェクトに携わる。著書は30万部超のベストセラー「頭のいい説明すぐできるコツ」など二十数冊。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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