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日韓電池競合の激化に割って入る中国勢

日本の競争力を高める手段は限られる

2016年1月21日(木)

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 前回、1月7日に「動き出した中国での自動車、電池各社の投資攻防」を公開したところ、貴重なコメントをいただいた。「日本の電池産業界が韓国、中国に押されて競争力を低下しつつある中、グローバルに競争力を維持している材料分野で海外勢に対してガードし、日本の競争力を高めていくべき」という内容である。

 この意見は確かに論理的には間違いではないが、現実にはそう簡単な話ではない。すなわち、この分野も既にグローバルビジネスが進行していることで、ガードをかけられる状況ではないことがその理由だ。ならば、どうするべきかという視点も含めて考えたい。

激戦区である中国市場での戦い

 1月7日から9日にわたって、中国の深センで自動車の電動化に関する電池ビジネスと技術に関するアジア国際会議が開催された。7日は日韓のスピーカーが講演する海外シンポジウムという形式、8日と9日は中国のスピーカーがプレゼンする形式。参加者はそれぞれの日付が選択できる登録システムをとっていた。

 参加者は、全員指定席という形。なかなか統制がとれない中国文化の中で、非常に整然と運営されていたことには驚いた。どの企業の誰が参加しているかという座席表まで全員に配布される徹底ぶりも凄い。

 2日目と3日目の中国シンポジウムは既に5年前から開催されていて、中国企業の間では内容が充実しているとの評判だ。話題性が多く質も高い。筆者は2日目のシンポジウムにも参加したが、確かに中国の材料メーカーや装置メーカー、ベンチャー企業などの講演で盛り上がっていた。600人という多くの人が参加したというのも、その裏付けである。

 中国市場における車載用リチウムイオン電池(LIB)の市場成長は、2014年に6.7GWh、15年は17.9GWhの実績、そして16年には30.6GWh(20kWhのLIB搭載車で、およそ150万台)にのぼるという予測である。このような勢いであるからこそ、参加者も多いはずだ。

 一方、7日の海外シンポジウムは170人の参加。今回の初日の企画は、既存の中国シンポジウムに連携させる形で、日本の矢野経済研究所が企画し、第1回目の海外シンポジウムとして実現に至った。

 トップバッターで登壇した筆者は、「グローバル市場における自動車の電動化と電池ビジネス、技術動向」について客観的な立場から講演した。その中で、日本の競争力と課題についても解説した。

 会場からの質問は、「日韓の電池と中国の電池にはギャップがあると聞いているが、実際のところどういうギャップがあるのか、そしてそれに対しては中国にはどんな提言があるのか?」といういかにも的を射たものだった。

 筆者の回答は、「まず車載用電池のあるべき仕様、特に安全性に対する考え方と取り組みに大きなギャップがある。日本の自動車各社の安全基準は高く、それに伴った電池開発を行っている。中国が信頼性を高めるには日本の評価基準や評価システムを学ぶ、日本の電池各社と意見交換してみる、信頼性の高い評価装置や部材を使う――など考えたら良い」と伝えた。

 他の日本側のスピーカーというと、矢野経済研究所がグローバル市場における電池産業界の動向と各種部材系における市場シェアの推移と競争力についてを講演。部材メーカーの立場からは日立化成が負極材料を、ダブルスコープがセパレータに関して講演。さらに東洋システムが電池劣化評価と機構について語った。

 一方、韓国を代表しては、筆者の知人であるLG化学のKIMフェローが講演にあたった。トリを務めたLG化学のプレゼンは素晴らしく、特に車載用LIBでビジネスを拡大しているだけに、内容も優れ、自信のほどを示す講演であった。サムスンSDIのマーケティング部門からも参加していたが、大きな刺激となったに違いない。

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「日韓電池競合の激化に割って入る中国勢」の著者

佐藤 登

佐藤 登(さとう・のぼる)

名古屋大学客員教授

1978年、本田技研工業に入社、車体の腐食防食技術の開発に従事。90年に本田技術研究所の基礎研究部門へ異動、電気自動車用の電池開発部門を築く。2004年、サムスンSDI常務に就任。2013年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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