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VWスキャンダル後の欧州電動化戦略の行方

競争激化が進む自動車、電池、部材業界

2016年2月12日(金)

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 独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正スキャンダルに関するコラムを昨年10月に記述したところ、多くの反響をいただいた。その事件以降の欧州勢というと、自動車の電動化により積極的に挑んでいると筆者の目には映る。

 そんな中、先月の1月末にドイツのマインツで、自動車の電動化と車載用電池に関する国際会議、「AABC(Advanced Automotive Battery Conference)Europe」が開催された。全世界から約600人の参加者があったが、とりわけ欧州の自動車メーカー(独ダイムラー、独BMW、VW、VWグループのアウディとポルシェ、仏ルノー、仏プジョー、スウェーデンボルボ)からの参加者が多かった。また、欧州自動車メーカーからの講演も例年以上に多かったのが印象的であった。

 この分野は産業の裾野が広いため、自動車業界と電池業界はもちろんのこと、Tier1であるシステム業界、部材業界、試験機器業界、調査業界、大学、公的研究機関などからも参加者が多かった。

電気駆動車両(xEV)市場と今後

 昨年から、欧州勢自動車各社の電動化が加速されている背景には、以下の4つの要素があると筆者は考える。

  • ①VWのスキャンダルで各国政府が規制を厳しくする。
  • ②2018年から拡大適用される米国カリフォルニア州のZEV(ゼロエミッション自動車)規制(販売台数の4.5%をプラグインハイブリッド車〔PHV〕、電気自動車〔EV〕、燃料電池車〔FCV〕にするという内容。カリフォルニア州で年間6万台以上販売している日米の各ビッグ3には既に適用されている規制であるが、3万台以上6万台未満の販売各社にも適用される)を受け、特にPHVを強化する。
  • ③欧州CO2規制(CO2排出量を95g/km以下とする)が2021年から適用され、クリーンディーゼルでは対応不可となる。2021年以降も更に強化される見通しで、75g/km以下に規制されるとの予測がある。
  • ④中国市場での環境規制と電気駆動車両(総じてxEVと呼ぶ)に対する補助金制度。

 このうち、欧州市場でPHVが加速されている背景の1つには、中国環境規制に伴う補助金制度が、EV走行で50km以上を可能とするPHVに手厚くなっていることも作用している。

 2018年~25年にわたって、カリフォルニア州のZEV規制はさらに強化される。PHVもEVも市場は拡大するが、CAFE(企業平均燃費)規制の強化も要求されており、その対応として、HVも市場で拡大していくだろう。いずれにしても、xEVの拡大は続き、市場としては日米欧に加えて、中国において急速な加速が予測されている。

 その証拠に、この会議でも中国市場が大きな話題となった。その背景には中国政府の補助金制度の大きさが影響している。HVの補助金が1とすると、PHVはその2.5倍、 EVは4倍という重みづけで適用される。すなわち、EVに手厚い制度である。これはHVやPHVに比べて中国ローカル自動車メーカーの参入障壁がEVは低いからだ。しかし、低質の石炭発電に依存している電力構成だから、PM2.5を考慮すると矛盾が大きくあると考えるのは筆者だけではないはずだ。

 同会議における台湾の国立研究機関の発表によれば、中国市場でのEVバス(E-Bus)は、2014年実績で約3万台。これが2015年は290%増加したとのこと。同年11月と12月の2カ月だけで、E-Busを含めEVは16万台が市場に供給されたとも。2016年では200万台規模に急拡大する見通しだと付け加えた。

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「VWスキャンダル後の欧州電動化戦略の行方」の著者

佐藤 登

佐藤 登(さとう・のぼる)

名古屋大学客員教授

1978年、本田技研工業に入社、車体の腐食防食技術の開発に従事。90年に本田技術研究所の基礎研究部門へ異動、電気自動車用の電池開発部門を築く。2004年、サムスンSDI常務に就任。2013年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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