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サムスンに吹く大逆風はグループ再編の好機?

グローバル競争で生き残るために

2017年3月9日(木)

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逮捕されたサムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

 2017年2月17日、韓国産業界およびサムスングループに大きな衝撃が走った。サムスングループの実質経営トップであるサムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長が贈賄容疑で逮捕された。朴槿恵(パク・クネ)大統領の友人である崔順実(チェ・スンシル)被告に43億円ほどの賄賂を贈ったことが逮捕の理由とされている。

 サムスングループは、韓国GDP全体の約20%を叩き出す韓国最大の財閥企業であり、しかも就職人気度も韓国でトップであるがゆえに、今回の事件の影響度は計り知れないことは事実だろう。

サムスングループにおける影響度

 グループ内における影響については多岐に亘ると考えられている。大型投資案件の停滞、役員人事が5月に延期されたことでの経営判断の先送り、グループ内に漂う暗く重い空気による社員のモチベーション低下、スマホ「Galaxy Note7」の事故を受けての事業立て直し方案の遅れ、信頼とブランド力の低下など、大きな課題がのしかかる。

 政界とグループの癒着が問題視されているグループの司令塔「未来戦略室」は解体されることが決まった。同時に、政界との癒着を断つための意思表示として、韓国の経済団体「全国経済人連合会」の脱退も決断した。

 もっとも、未来戦略室はグループ内でも重要な役割を果たしてきた。これまでの代表的な実施案件を以下に示す。2009年12月のグループ社長団の人事では、当時のサムスンSDIの社長であった金淳沢(キム・スンテック)氏がグループの副会長に昇進した。そして未来戦略室の室長としてグループ経営の戦略を誘導した。それまでの「戦略企画室」から「未来戦略室」へ改称された時期であった。

未来戦略室による事業戦略策定

 2010年に入って、未来戦略室はグループ主要企業の役員を選抜し、2020年に向けての成長事業を策定した。それが、図の左側にある成長事業5テーマ、すなわち、車載用リチウムイオン電池(LIB)、太陽電池、LEDのエネルギー3テーマと、バイオ医薬と医療機器関連のヘルスケア2テーマであった。これらの成長事業に合計で1兆9000億円の投資を図って、20年時点での事業規模の目標は4兆円とした。

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「サムスンに吹く大逆風はグループ再編の好機?」の著者

佐藤 登

佐藤 登(さとう・のぼる)

名古屋大学客員教授

1978年、本田技研工業に入社、車体の腐食防食技術の開発に従事。90年に本田技術研究所の基礎研究部門へ異動、電気自動車用の電池開発部門を築く。2004年、サムスンSDI常務に就任。2013年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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