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戦略は不変ではなく随時見直してこそ生きる

自動車の電動化における日米欧韓の製品戦略から学ぶ

2016年4月14日(木)

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 製品開発の原点は製品戦略から始まる。戦略が優れていても必ずしも成功するという保証はないが、戦略がなければ端から勝てる理由などない。自動車分野で言えば、1990年代の電動化萌芽期や現在直面している自動運転というような新しいパラダイムを形成する段階、すなわち既存製品の延長上ではない新たな価値を提供しようという時点ほど、製品戦略が重要になる。

 1990年代初頭から始まった自動車の電動化までさかのぼってレビューしてみよう。1990年9月に発効した米国カリフォルニア州のゼロエミッション自動車(ZEV)規制が契機となって、自動車の電動化の大きな波が押し寄せた。とりわけ、1998年からは電気自動車(EV)の市場投入が義務付けられた。

 この段階では、カリフォルニア州で年間3万5千台以上販売していた日米の各ビッグスリー、すなわち米ゼネラルモーターズ(GM)、米フォード・モーター、米クライスラー、そして日本のトヨタ自動車、ホンダ、日産自動車の6社が規制の対象となった。一方、欧州と韓国勢、および日系他社に関してはカリフォルニア州での販売台数の閾値の関係で対象とはならなかった。

 この規制を受けて米国勢はロビー活動を通じ、カリフォルニア州大気資源局(CARB)に規制取り下げの要請を執拗に迫ったことは、以前のコラムでも記述した。すなわち、製品戦略以前の話である。

 これに対し日系各社は米国勢と正反対に、それぞれの製品戦略を真摯に構築した。EVとしての航続距離の設計、そしてそれを実現するための車載電池戦略やモーター戦略がとりわけ重要となった。

 下図には、製品戦略とそれを取り巻く要素戦略を示す。上記の事例の場合、製品戦略はEV戦略に相当する。最初に描くのは、EVとしてどういう商品にすべきかであり、それを受けて動力性能や車のサイズ、デザイン、価格は大きな設計要因となる。

製品戦略とそれを取り巻く要素戦略

 EVにすることで、化石燃料を直接使わない新たな動力、排ガスを出さないクリーンな自動車、家庭で充電できることでガスステーションに出向かなくても良い利便性(治安の悪い米国の都市では価値が高い)などの、新価値を持った新たなワールドが形成されると考えられていた。

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「戦略は不変ではなく随時見直してこそ生きる」の著者

佐藤 登

佐藤 登(さとう・のぼる)

名古屋大学客員教授

1978年、本田技研工業に入社、車体の腐食防食技術の開発に従事。90年に本田技術研究所の基礎研究部門へ異動、電気自動車用の電池開発部門を築く。2004年、サムスンSDI常務に就任。2013年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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