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出る杭は打たれる日本、出ないと潰される韓国

人材活用に関する日韓の差

2015年7月9日(木)

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 ホンダの創業者である本田宗一郎は、日本の一般的な慣習とは違った言葉を発していた。「能ある鷹は爪を出せ」「会社のためにではなく、自分のために働け」「技術論争に上下関係はない」――。これらは社会を変革しようとする力強い名言である。

 今のホンダで、この名言がどこまで社員に浸透しているかは明確ではない。ただし、筆者がホンダを去る11年前では、とても浸透しているとは言えない光景をたくさん見てきた。

 今回のコラムでは、人材に対する考え方と行動様式を取り上げ、日韓の違いや特徴を分析してみる。

人材育成教育は必要か否か

 1年前、筆者は「人材を育てるホンダ 競わせるサムスン」という本を出版した。その表題だけだと、ホンダの人材育成プランは優れているのではないか、と思われる方も多いだろう。

 筆者があえてこのような表題にした背景には、現実は真逆であることを風刺したことがある。すなわち、しっかりした人材育成プランなどがないから、人材として育つには個々人の努力が一層必要であるというわけだ。それを意識すれば人材として育成されるという意味のものである。

 この書籍が、台湾でも刊行される予定だと聞いている。日韓の企業に対する価値観や個々人の考え方の違いなどは、台湾の方々にも参考になるものと期待している。

 日本企業においては、個々人のキャリア形成よりも組織としての成果につながることを優先し、そのため、逆に個々人のスキルアップが犠牲になることも珍しくない。その証拠の1つに、ホンダはもちろんそれ以外の企業でも、大卒以上の定期採用人材の配属では、理系人材でも専門性や得意分野に配属しないケースが多い。本人が全く希望しないところに配属されるケースも少なくなく、企業人として最初のミスマッチを経験することになる。

 このような場合、個々人の考え方で行動様式が異なる。逆境をむしろ発奮材料として、自分の血となり肉となるように切り替える前向きなタイプ。もう一方は、意気消沈して士気が低下し会社を去るタイプ。筆者がホンダに入社した時にも、この2種類のタイプを目の当たりにした。

 また、最近耳にしたのだが、「人材が流出することは当然あるので、あえて研修や教育そのものを行わない」という日本の大手企業もあるとのことだ。

 一方の韓国サムスングループは、グループを横断して教育や研修を活発に行っている。そのための研修施設もホテルのような建物があり、若手から役員、CEOに至るまで、職位ごとに綿密な研修プログラムがある。「こんなに教育や研修が多くて本業は大丈夫なのか?」と、筆者が赴任して間もなくは驚いたほどである。

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「出る杭は打たれる日本、出ないと潰される韓国」の著者

佐藤 登

佐藤 登(さとう・のぼる)

名古屋大学客員教授

1978年、本田技研工業に入社、車体の腐食防食技術の開発に従事。90年に本田技術研究所の基礎研究部門へ異動、電気自動車用の電池開発部門を築く。2004年、サムスンSDI常務に就任。2013年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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