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電池の国際会議に見る日本と韓国の立ち位置

電池ビジネスに中国の割り込める確率は低い

2015年7月23日(木)

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 6月中旬、米国デトロイトにて自動車用電池に関する国際会議「第15回AABC(自動車用先進電池国際会議)」が参加者500名を数える中、開催された。参加者には常連メンバーが多く、会議外においても個別の情報交換や意見交換ができる場となっている。

 昨年出席した際に、同国際会議の主催者であるM.アンダーマンに、「リチウムイオン電池(LIB)の事故やトラブルが市場で起こっているので、来年には、電池の安全性と安全性評価に関するセッションを設けた方が良い」と提言した。

 このことを真に受け止めてくれたようで、今回のセッションの中には、“Battery Abuse-Tolerance and Validation”(電池の乱用時における耐久性と検証)が新たに組み込まれた。その結果、米国からゼネラル・モーターズ(GM)とフォード・モーターから、さらに米国サンディア国立研究所、第三者試験認証機関のテュフズード(カナダ支社)、日本の東洋システムの講演が組み込まれ、有意義な議論が展開された。

 上記のセッションだけでなく、多くのセッションにおいて議論が活発に行われた。今回のコラムでは、この国際会議における、日本と韓国の関わり度合いに触れたうえで、中国の立ち位置に関しても検証してみる。

日本勢の発表内容がリード

 まず、トヨタ自動車の同国際会議に対しての関わり方だが、継続して最高ランクのスポンサーの立場をとっている。講演はソニー出身の若手が担当していたものの、シニアも随行しており存在感を示していた。自動車業界のトップリーダーとしての振る舞いを示す中、燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」に関しては展示を行うとともに、講演においても説明した。業界をリードしようとする姿勢そのものが伺える。

 トヨタの講演は、市場に供給したハイブリッド車(HV)の走行データと電池の状態観察から、実走行による電池劣化状況を解析し、今後の開発へフィードバックするという内容。市場データに裏付けされた解析の報告は業界への参考となるものだ。

 ホンダの講演も、市場に出した電気自動車(EV)「フィット EV」の走行データから、電池の劣化に及ぼすパラメータを、電池温度、SOC(充電状態)、電流にブレークダウンして影響度を解析したもの。偶然にも、トヨタと似たような市場データの解析だが、説得力がある。こういうデータは、自社の今後の電池開発と使い方設計に反映できるものだ。

 ホンダは従来のマイルドHV(IMAシステム)から、ストロングHVへのシフトでトヨタを追随する戦略を持つ。2モーター方式を採用したHVシステムで、トヨタとの燃費競争が活発化している。

 ホンダのLIBに関する2社購買戦略、すなわちジーエス・ユアサコーポレーション(GSY)との合弁子会社であるブルーエナジー(BEC)以外からもLIBwo 調達しようとする戦略は、ホンダの新社長である八郷隆弘氏が購買部門に所属していた時代からの課題であった。2010年、筆者がサムスンSDIの立場で、当時の伊東孝紳社長と八郷役員に面会したころからの関心事項であった。

 残念ながら、サムスンSDIはホンダのセカンドサプライヤーになれなかった。そのホンダがセカンドサプライヤーとして選んだのがパナソニックである。いずれ、パナソニックのLIBを搭載したクルマが市場に供給されることになる。

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「電池の国際会議に見る日本と韓国の立ち位置」の著者

佐藤 登

佐藤 登(さとう・のぼる)

名古屋大学客員教授

1978年、本田技研工業に入社、車体の腐食防食技術の開発に従事。90年に本田技術研究所の基礎研究部門へ異動、電気自動車用の電池開発部門を築く。2004年、サムスンSDI常務に就任。2013年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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