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サムスンのBYD出資は中国市場成功への布石?

中国の政策に翻弄される電池業界、自動車業界

2016年7月28日(木)

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(写真:AP/アフロ)

 7月14日のコラム「協業の成功と失敗を分ける要素は何か?」では、協業に関する成功と失敗の分岐点に関して実例を採り上げて記述した。双方の思惑が相反しないこと、相手への敬意を払うこと、双方がWin-Winの関係を築くようにリアルタイムで考えることが肝要と述べた。

 また、今後も国境を越えた協業が一段と増えるだろうと記述したが、その直後に大きな動きが生じた。韓国のサムスン電子が中国大手自動車メーカーのBYDに出資することを、7月15日に発表した。韓国紙によれば約480億円の出資で2%の株式を保有する見通しという。

 今回は、この協業の意味を、自動車向け電池の勢力図と中国市場に対する各国電池メーカーの思惑を鑑みながらひも解いてみたい。

参入障壁の高い自動車用電池

 2015年12月に、サムスングループは自動車産業に直結するビジネスを目的とした「電装事業チーム」を発足させた。サムスングループが保有するリチウムイオン電池や半導体、各種デバイスや材料など、このチームが対象とするビジネスモデルは幅広い。

 この組織を発足させるに至った背景は2010年までに遡る。当時のキム・スンテック副会長の指令の下、サムスングループ各社から幹部が寄せ集められ、自動車産業ビジネスに関する戦略タスクチームを結成した。

 筆者もこの戦略の一翼を担ったが、韓国国内はもとより、日米欧の自動車各社とのビジネスを開拓する上で必要な組織であった。中でも、自動車産業が発展する日本は、サムスングループにとっては重要な市場である。そのため、副会長からの指示を受け、2010年から11年にかけて、ホンダ、トヨタ自動車、日産自動車、そしてデンソーでサムスングループの製品展示会を大々的に執り行った。

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「サムスンのBYD出資は中国市場成功への布石?」の著者

佐藤 登

佐藤 登(さとう・のぼる)

名古屋大学客員教授

1978年、本田技研工業に入社、車体の腐食防食技術の開発に従事。90年に本田技術研究所の基礎研究部門へ異動、電気自動車用の電池開発部門を築く。2004年、サムスンSDI常務に就任。2013年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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