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急加速のEVシフトに潜む5つの課題

日欧米韓中の鍔迫り合いとビジネスリスク

2017年9月14日(木)

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全面改良した日産自動車の「リーフ」。1回の充電で400kmの走行を実現する(写真:Shutterstock/アフロ)

 9月6日、日産自動車は7年ぶりに全面改良した電気自動車(EV)「リーフ」を発表した。実際の国内販売は10月2日からとのこと。新規開発したリチウムイオン電池(LIB)は、従来の30kWhから40kWhに容量アップしたことで航続距離はJC08燃費モード表示で400kmに達したと言う。急速充電するとLIB容量の80%まで充電が可能。LIBの保証は8年または16万kmとしている。

 一方、EVブームをつくったとも言える立役者のひとつ、米テスラも従来の高級EV「モデルS」に加え、価格を3万5千ドルに抑えた普及型「モデル3」の販売を7月末に開始した。富裕層のみだけではなく、一般顧客を取り込む戦略に出たことで受注は50万台に達したと言われている。

 また、米国ゼロエミッション自動車(ZEV)規制、中国新エネルギー自動車(NEV)規制を受けて、日米欧韓中の自動車各社がEVシフトを鮮明に打ち出している。中でも、2015年にディーゼル自動車の燃費不正事件を起こした独フォルクスワーゲン(VW)は、グループ全体で25年までに30種以上のEVとプラグインハイブリッド車(PHV)を発売することを既に明言した。世界販売の20~25%に相当する200万~300万台規模と言うから、極めて大規模かつチャレンジングな目標である。これはVWのみにとどまらず、独ダイムラーや独BMWも同様な目標を掲げている。

 そのような折、9月12日の日本経済新聞夕刊に、VWが2030年までにEVに200億ユーロ(約2兆6千億円)を投資するとの記事が掲載された。同時に、25年までに30車種としていた上記の計画を、EVで50車種以上、PHVが30車種以上の計80車種以上に上方修正した。車載用電池に対しては2兆6千億円とは別に、約6兆5千億円分を調達するとも報道されている。

 9月12日に開幕した「フランクフルト国際自動車ショー」での主役は電動車、中でもEVのオンパレードと各メディアが報じている。EVに対して腰の重かったホンダも、量産型EV「アーバンEVコンセプト」を世界初公開し、このモデルをベースにしたEVを19年に欧州で発売すると言う。

 米国ZEV規制はカリフォルニア州に端を発しているものだが、他にマサチューセッツ州、ニューヨーク州、コネチカット州、メイン州、ニュージャージー州、オレゴン州、ロードアイランド州、バーモント州、メリーランド州が追随している。18年から強化されるZEV規制は、トヨタとホンダが主導してきたハイブリッド車(HV)が対象から外れることで、EVやPHVの開発に拍車がかかる。

コメント13件コメント/レビュー

単に技術的側面だけでなく、EV独自の特性と市場性について広く深く考察されている。(2017/09/19 12:37)

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「急加速のEVシフトに潜む5つの課題」の著者

佐藤 登

佐藤 登(さとう・のぼる)

名古屋大学客員教授

1978年、本田技研工業に入社、車体の腐食防食技術の開発に従事。90年に本田技術研究所の基礎研究部門へ異動、電気自動車用の電池開発部門を築く。2004年、サムスンSDI常務に就任。2013年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

単に技術的側面だけでなく、EV独自の特性と市場性について広く深く考察されている。(2017/09/19 12:37)

消費者が最適な選択が出来るように、内燃機関と電気自動車のCO2排出量を比較する資料が必要だと思います。発電所で出るCO2や送電や充電での損失を考慮した計算は、不確定性が大きいにしろ、可能でしょう。

もう一つは、走らせる費用を計算する際に、電気代だけでなく電池の減価償却も含めた数字を流通させるべきだと思います。

このくらいの費用を掛けてこのくらいCO2を削減するのだ、という数字を元に消費者が選択出来るようにすべきでしょう。(2017/09/17 00:27)

電池の技術にブレイクスルーがない限り、EVの一般化は難しいだろう。
今のリチウム電池では無理だ。

したがって、FCVなどのほうが将来的には発展するのではないか?
マツダの水素ロータリーなど、非常にいい技術ではないかと思うのだが、、、、(2017/09/14 17:15)

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