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VW、東芝の不正は企業の焦りがもたらした

サムスンのコンプライアンスは見習うべきことが

2015年11月12日(木)

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 独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正事件は、終息の気配を見せるどころか、新たな事実が次々と噴出している。前々回のコラムでは「VWが不正に至った3つの問題」を執筆した。その後の前回のコラム「VWが受ける逆風、日本が受ける追い風」でも同問題を採り上げた。自動車業界に深く関与している筆者としては、今回も採り上げないわけにはいかない。なぜなら、新たに3つの不正事件が明らかになったからだ。

 第1は、2014年モデル以降から2016年モデルのクルマに新たな不正が明らかになったこと。高級車種のポルシェ「カイエン」やアウディの「A6」「A7」「A8」などのディーゼル車も不正の対象に含まれると、米国環境保護局(EPA)が11月に入って公表した。

 日本市場ではドイツ車の人気が高い中、VWグループの今回の不正により、メルセデス・ベンツやBMWに消費者が動くのは必至だ。日本市場でも人気が上昇し、メルセデスと同様に販売を伸ばしてきたアウディの販売に大きく影響を与えることになる。

 併せてVWの下取り価格にも既に影響が出ているとのことで、この下取り価格の下落は消費者にとって大きな損害となる。同時に、消費者離れを促す大きな要素ともなる。

 第2の新たな事実としては、ガソリン車でも不正が見つかったこと。窒素酸化物(NOx)排出量で不正が見つかっていたのはディーゼル車だったが、ガソリン車においても約9万8千台不正があったことが確認された。

 そして第3は、二酸化炭素(CO2)排出量にも不正があったこと。VWの発表では、約80万台のクルマが実際よりも高い数値のCO2排出量であったとしている。今回の不正は、一連の排ガス排出量不正事件に関する社内調査で判明したという。

 ドイツではCO2排出基準で自動車の税金が異なる。排出量が少なければ税の優遇措置を受けられるので、消費者にとっては魅力的な指標となっている。それだけに消費者の反応は敏感だ。

 今回の事件で、VWは1100万台以上のリコール対策費用として67億ユーロを計上しているという。しかし新たに発覚した不正問題により顧客への賠償金や対象国市場での制裁金が科せられるだろうから、どこまでの費用に膨れ上がるかが注目される。

 燃料消費やディーゼル車に特有な黒煙は、消費者が直接認識できる指標になるが、問題のNOxやCO2は消費者が直接感知できない物質であり数値である。このことが、一連の不正をすぐに見抜けなかった要因の1つであった。

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「VW、東芝の不正は企業の焦りがもたらした」の著者

佐藤 登

佐藤 登(さとう・のぼる)

名古屋大学客員教授

1978年、本田技研工業に入社、車体の腐食防食技術の開発に従事。90年に本田技術研究所の基礎研究部門へ異動、電気自動車用の電池開発部門を築く。2004年、サムスンSDI常務に就任。2013年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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