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エコカー戦略における燃料電池車の位置づけは?

2016年12月8日(木)

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 11月10日付の当コラム「トヨタがEVを投入せざるを得ない事情」でも書いたように、トヨタ自動車の電気自動車(EV)への事業参入の話題が業界を駆け巡った。

 一方、日米欧の大手自動車メーカーで唯一、EVの量産化を発信していないホンダであるが、本田技術研究所四輪R&Dセンターに、10月1日付けでEV開発室を設立した。量産化の計画は未発信だが、同社もEV市場への進出に準備を始めたことになる。

 これら大手メーカーのEV戦略に大きな影響を与える米国のゼロエミッション自動車(ZEV)規制に関してだが、2018年に大規模・中規模自動車メーカーに課すのは、販売台数のうち4.5%がエコカーであること。この内訳は、ゼロエミッション車と定義されているEVと燃料電池車(FCV)の合計で2%、Transientゼロエミッション車(TZEV)のプラグインハイブリッド車(PHV)で2.5%という振り分けとなっている。ただし、中規模自動車メーカーはTZEVのみでの対応で可能とされている。

 2025年には更に数値が拡大し、全体枠で22%、ゼロエミッション車で16%、TZEVで6%にまで膨らむ。この時点では、ゼロエミッション車とTZEVの比率が大きく逆転し、EVとFCVが多量に求められることになる。

 これだけでも、大手自動車メーカーにとっては大きな試練となる。そのうえで、この時点ではレベル4の完全自動運転車も実用化されているはずであり、今後数年間で巨額な開発費用が必要とされるのも事実である。

FCVの今後

 EVを軸にエコカーの開発が進むように見える中、一方のFCVはどこへ行くのだろうか。日本政府は以前、2018年のFCV普及目標台数を200万台と設定したが、これは全く現実味のない数値と化した。

 ゼロエミッション車のカテゴリーにおいて、EVを事業化しなければすべてFCVで満たさなければならなくなる。ではFCVの状況といえば、トヨタが2014年12月に、ホンダが16年3月に市販を開始したが、この2社以外では実用化されていない。

 日産自動車はFCVの開発を見直し、遅延することを判断した。それには2つの理由があるだろう。1つは、2025年時点でもFCVが普及段階まで進まず、EVが拡大していくであろうという市場的な側面。そしてもう1つは、FCVの領域ではトヨタとホンダに先行されて、特許による縛りも加わり、優位性を出せないという側面だ。

 同じような事は、トヨタとホンダがそれぞれ、1997年と99年に市場に出したハイブリッド車(HV)に対する日産の戦略にも現れた。HVでは両社の特許を避けて自前開発できる自動車メーカーはいなく、日産も例外ではなかった。

 日産の初代HVでは、結局、トヨタハイブリッドシステム(THS)の技術ライセンスを導入して商品化につなげた。そしてそこから、日産のエコカー戦略はHVではなくEVを全面的に打ち出す方向に転換された。「トヨタもホンダもHVでは巨額の利益を出せない」「EVには市場拡大性がある」という2つの理由で、EVを全面的に打ち出す戦略を描き、2010年にEV「リーフ」を世に送り出した。

 しかし、この2つの理由は正しいとは言えなかった。トヨタとホンダのHVは国内での販売量で上位を占めるに至り、一方、日産のEVは6年の歳月が流れても累積で20万台に達した程度である。

コメント4件コメント/レビュー

ゼロエミッション自動車(ZEV)規制は定義がいい加減ですよね。電気自動(EV)は、発電所がどの燃料を使っているかが問題で石炭なら、ガソリン車より分が悪そうだし、燃料電池車(FCV)は水素を圧縮するのに電気を沢山使用するので、水素が天然ガス由来でなくても、CO2排出量はハイブリッド車(HV)並らしいし。なぜZEVにバイオディーゼル車は含まれないのかもよく分らない。結局ZEV規制は、本気でCO2を減らすというより、自動車メーカにCO2削減思想を植え付ける目的のような気がする。しかも自国に有利なような運用になり、だんだん当初目的から離れていく感じだ。結局単なる非関税障壁に成り下がるのかもしれない。(2016/12/13 21:31)

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「エコカー戦略における燃料電池車の位置づけは?」の著者

佐藤 登

佐藤 登(さとう・のぼる)

名古屋大学客員教授

1978年、本田技研工業に入社、車体の腐食防食技術の開発に従事。90年に本田技術研究所の基礎研究部門へ異動、電気自動車用の電池開発部門を築く。2004年、サムスンSDI常務に就任。2013年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ゼロエミッション自動車(ZEV)規制は定義がいい加減ですよね。電気自動(EV)は、発電所がどの燃料を使っているかが問題で石炭なら、ガソリン車より分が悪そうだし、燃料電池車(FCV)は水素を圧縮するのに電気を沢山使用するので、水素が天然ガス由来でなくても、CO2排出量はハイブリッド車(HV)並らしいし。なぜZEVにバイオディーゼル車は含まれないのかもよく分らない。結局ZEV規制は、本気でCO2を減らすというより、自動車メーカにCO2削減思想を植え付ける目的のような気がする。しかも自国に有利なような運用になり、だんだん当初目的から離れていく感じだ。結局単なる非関税障壁に成り下がるのかもしれない。(2016/12/13 21:31)

私は「2016年には各社から発売される」と言われていた「超小型EV」を首を長くして待っているが、結局2016年は発売もされず終わろうとしている。私が「超小型」EVに拘るかというと、二次電池は高過ぎるのと、一充電でせいぜい200km未満しか走行出来ない事による。家に二台の車を持っている家庭なら一台はHVやPHV、もう一台は超小型EVがうってつけだ。超小型EVは二人乗りで1充電での航続距離が50km程度。という事は、日常の「チョイ乗り」にはもってこいだ。私は年金生活者で、車は自分がジムに通うのと買い物に使う程度で、他は週1回母をマッサージに送り迎いするだけ。どれも片道2kmに満たない。その為、冬季の今はバッテリーが十分に充電される機会がなく、先日タイヤ交換依頼時に店員から指摘されてしまった。普段はエンジンをかけて直ぐに車を走らせるのだが、暖機運転が終わる前に目的地に着いてしまう。だからバッテリーが十分充電されない以外に燃費も非常に悪い。カタログのJC08モード燃費の半分も出ない。長距離ドライブは年に2回程度なので、普段は超小型EVで動き回り、長距離ドライブが必要な時は近くのレンタカーかカーシェアリングを使う方が経済的でもあるし、それぞれの特性を生かした使い方になると思う。レンタカーもカーシェアリングも歩いて5分以内の場所にあるので条件もぴったり。超小型EVが売り出されない原因にはLEAFやiMievなどのEVが伸び悩んでいることもあると思うが、私に言わせれば「分かっていない!」だ。どちらも片道100km程度のドライブに使おうと思う人は少ないだろう。充電ステーションは増えたとはいえガソリンスタンドには及ばないし、10年ほど乗ればバカ高い電池も交換しないといけないから、余程のメリットが無ければ買わない。それに比して超小型EVは容量が少ない分電池も安く、自宅の100v電源でも十分に充電出来る。現在購入できるのは一人乗りのトヨタのコムスだけ。毎週母を載せなくてはいけない私には不十分なのでコムスを買う気持ちはない。早く出て来い「二人乗り超小型EV」!(2016/12/10 13:36)

 ZEV規制が全てですね。
 こういうものは市場による自然淘汰に任せるべきで、それであれば燃料電池車が将来どうなるか楽しみだったのですが、倍率1倍で2025年では無理でしょう。
 アメリカがZEVを見直す気がなく(ないだろうと我々が予想し)、日本だけで燃料電池に突っ走るつもりもないなら、あとはいつ見切りをつけるかという時間の問題のような気がします。残念です。(2016/12/08 16:14)

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三品 和広 神戸大学教授