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2強の韓国電機業界に対抗できるか日本勢

主戦場で戦える筋肉体質が必須に

2015年12月10日(木)

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 韓国のエレクトロニクス産業はサムスングループとLGグループの2強が主導している。1997年のアジア通貨危機を転機に、韓国政府の働きかけで電機電子産業の筋肉体質づくりの一環として2社体制を構築した。

 その2強が、各社のビジネスモデル戦略を描き推進している。相互のライバル意識がぶつかりつつ、そして相手側をベンチマークして切磋琢磨しているのが現状だ。

有機ELのビジネスモデルと投資競争で存在感

 最近では、LGディスプレーの有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)への巨額投資が話題になっている。向こう数年間で1兆円以上の投資をして、中小型有機ELパネルの新工場を韓国のパジュに建設するとのこと。2017年内に稼働させる見通しとしているが、その裏付けになっているのが、米アップルが2018年以降に発売するiPhoneに有機ELを採用することを伝えたためという。

 LGのこうした動きを加速させているのが、中小型有機ELで世界シェアの90%以上を占有しているサムスンディスプレーの存在だ。そのパネルは主にサムスン電子のスマホやタブレットに搭載されており、高精細画面を形成している。

 サムスン電子の高精細画面スマホのギャラクシーに対抗する意味も込めて、iPhoneが有機ELを採用することで、スマホの有機EL化が一気に進むことになる。ハイエンドスマホは有機EL画面が標準になるものと考える。仮に、LGディスプレーがこの分野で大型投資を進めなければ、アップルに対してもサムスンディスプレーの独壇場になる可能性が高く、危機感の表れといえる。

 サムスンディスプレーが中小型有機ELで成功した背景には、2000年以前からサムスンSDIが研究開発を地道に続け、2007年に世界で初めて実用化に至ったという経緯がある。そしてグループ内のスマホ事業と戦略的に進めた高精細画面で先行してきたことだ。その延長上に大型有機ELの実用化も展開してきた。

 一方、大型の有機ELパネルではLGディスプレーが先行しており、LG電子の有機ELテレビが商品化されている。サムスンディスプレーは、この大型分野でLGディスプレーの後塵を拝した。

 サムスン電子の有機ELテレビは、2008年に開催されたフラットパネルの専門展示会「FPD International」で40型を展示し、業界の話題をさらった。しかし、その後の生産技術開発を進めている中で、有機ELのパネルの歩留まりの向上が進まず、量産化までには至っていない。現在も、有機ELテレビの事業化は保留となっている。

 両者が有機EL事業を加速させる背景には、中国や台湾の液晶パネル産業が力を付けてきて、韓国のパネル産業を脅かしていることが挙げられる。中国勢の投資力と技術力の向上で韓国のシェアを奪う状況が続いている。

 中国では準国営企業が政府の資金援助を得て液晶パネル事業を加速する。大手4社で、今後3年間で3兆円規模の投資を行うとのことで、ますます日韓のパネル産業を圧迫することになる。

 これまでは、液晶をはじめとする日韓のパネル産業が技術力で世界をリードし、ビジネスを拡大してきたが、中国の液晶パネル業界も技術力を伸ばし、日韓との差はかなり縮まってきた。日韓のパネル産業の生き残り戦略が求められている。

 日韓の液晶産業が順調なすべり出しを遂げた2000年代中盤には、テレビの価格で1インチ1万円という価格水準となった。それが今では、価格競争の激化で、3分の1程度にまで下落した。

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「2強の韓国電機業界に対抗できるか日本勢」の著者

佐藤 登

佐藤 登(さとう・のぼる)

名古屋大学客員教授

1978年、本田技研工業に入社、車体の腐食防食技術の開発に従事。90年に本田技術研究所の基礎研究部門へ異動、電気自動車用の電池開発部門を築く。2004年、サムスンSDI常務に就任。2013年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師