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2016年、自動車の産業競争力を展望する

電動化と自動運転が両輪に

2015年12月24日(木)

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 自動車業界における今年最大の話題の1つは、独フォルクスワーゲン(VW)の排ガスにまつわる不正事件であった。その一方で、車両の電動化の波が大きく寄せてきたともいえる。

 そして自動運転に関する各社の精力的な動きがあった。2016年は電動化の更なる拡大と自動運転の本格的な開発競争が始まろうとしている。

車両の電動化と開発競争

 2016年は自動車業界にとって大きな動きがある年となるだろう。それは日本、韓国、欧州で販売される電動車両(総じてxEV)用の電池に対して認証制度が始まるためである。

 これは国連規制の「ECE-R100.PartII」と呼ばれるもので、車両安全というカテゴリーであるが、電池パックシステムまでを対象にしており、熱衝撃、振動、衝撃、外部短絡、衝突、過充電、過放電といった一連の試験に適合しないといけない。試験評価を実施して認証を得ることで、市場での販売が初めて可能となる。

 この対応として、筆者が在籍するエスペックは宇都宮市に、ワンストップサービスでは世界初となる「バッテリー安全認証センター」を設立した。本年9月17日に開所式を行ったことは、9月24日のコラム「 韓国に先んじた日独連携の車載用電池認証サービス」で記述した。

 開所式から3カ月が過ぎた現在、自動車業界や電池業界からの関心が高く、認証取得に向けた試験評価が既に動き始めている。各試験室の稼働率も予想以上に上がってきている。

 政府機関、自動車工業会、各業界から見学に来ていただいているだけでなく、海外からの視察希望もあるので海外勢にも案内している。 今後は海外からも認証取得に向けた委託試験を受けることになるだろう。

 また、中国市場では中国政府筋が主導する車載用電池の安全性試験「GB/T 31485」と電気性能試験「GB/T 31467.3」が課せられることになる。この規格は先のECE-R100とは異なる試験項目や試験条件が多く、独自に行う必要があるため自動車業界や電池業界には大きな負担となっている。

 この中国のGB規格に対しても、日本国内でワンストップサービスが可能となれば、 日本の各業界に対しては時間と費用の面で大幅な効率向上につながることになるであろう。

 2018年の米国ZEV(ゼロエミッション自動車)規制がいよいよ迫って来た。 プラグインハイブリッド(PHV)、電気自動車(EV)、水素燃料電池自動車(FCV)の3種類が義務付けされるこの規制は、電動化に遅れをとっている欧米韓の自動車各社にとっては大きな壁となって立ちはだかる。

 米フォード・モーターは、xEVの開発に大規模投資を計画している。2020年にはxEV比率を40%まで高める方針。そのため2020年までに約5400億円を投資するとのこと。いよいよ米国勢は本格的な電動化開発の段階に移行する。

 欧州勢は、クリーンディーゼル車偏重からxEV開発へ大きくかじを切る。開発時間と開発費の確保が競争力となって表れることになるが、電動化戦略と、そこからアウトプットされる商品力が、今後の自動車業界の勢力図を大きく変えていく要素となる。

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「2016年、自動車の産業競争力を展望する」の著者

佐藤 登

佐藤 登(さとう・のぼる)

名古屋大学客員教授

1978年、本田技研工業に入社、車体の腐食防食技術の開発に従事。90年に本田技術研究所の基礎研究部門へ異動、電気自動車用の電池開発部門を築く。2004年、サムスンSDI常務に就任。2013年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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