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「中央銀行人事」から見た日米の金融政策

日銀は「スリーピングボード化」が進む?

2016年2月23日(火)

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 金融政策の決定に携わる中央銀行の当局者が交代する可能性という観点から、最近の日米の動向について考えてみたい。

【日本】
 共同通信社の「きさらぎ会」東京2月例会で開かれた黒田日銀総裁の2月3日の講演を、筆者はじかに聴講した。

 講演が開始された11時半に要旨が日銀ホームページに掲載されたので、手元のスマホでそれを見ながら総裁による実際の発言を追った。すると、数字や日付の読み間違いがあったほか、1月29日に導入したマイナス金利について説明する部分で「利息」という部分を「リスク」と読み違えてしまい、すぐに言い直す場面があった。

 一段と厳しくなった運用難・収益環境や「余剰円資金の押し付け合い」をどう乗り切るかで日々頭を悩ませることになった銀行関係者などにとっては、一種のブラックユーモアのように聞こえたのかもしれない。

議長案に反対しない5人の政策委員

 日銀の政策委員会は、9人の政策委員により構成されている。安倍晋三氏が首相に返り咲いてから任命された政策委員は、黒田東彦総裁、岩田規久男副総裁、中曽宏副総裁、原田泰審議委員、布野幸利審議委員の5人で、過半数を占める。

 しかも、これらの委員は金融政策決定会合において黒田総裁が提出した議長案に反対票を投じたことは、一度もない。「アベノミクス」の下で、一枚岩のような団結が示されている。

 残る審議委員4人は、1月29日の金融政策決定会合で「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を導入する議長案に反対票を投じた。だが、白井さゆり審議委員(学者出身・唯一の女性)は3月31日に、石田浩二審議委員(銀行出身)は6月29日に任期満了となる。

 白井審議委員の後任についてはインターネット上のサイトで、女性の大学教授の具体的な名前が取り沙汰されている。しかし大手の新聞・経済雑誌では筆者の知る限り、「週刊エコノミスト」2月9日号が以下のように報じた以外に、関連報道はまだ出てきていない。

「1月末になっても、後任人事をめぐっては一部で女性大学教授の名前もとりざたされるものの、目立った動きは見えてこない。現在、首相官邸は甘利明経済再生担当相の辞任問題などに右往左往で、『今は官邸もそれどころではない』(政府関係者)のが実態のようだ」

「もっとも、白井氏の前任の須田美矢子氏(現キヤノングローバル戦略研究所特別顧問)は2期10年務めており、日銀関係者には『白井氏は再任するのでは』と見る向きがある」「一方で、『安倍政権が掲げる女性の活躍をアピールできる絶好の機会。市場の注目を集めるような女性学者を後任に選ぶだろう』(市場関係者)との見方も根強い」(以上、「週刊エコノミスト」2016年2月9日号より引用)

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「「中央銀行人事」から見た日米の金融政策」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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