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「5分で読めるマイナス金利」の突っ込みどころ

ネガティブなイメージの払拭を狙ったが…

2016年4月12日(火)

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日本銀行本店(東京都中央区)

 日銀は3月25日、ホームページに「5分で読めるマイナス金利」と題した一般の人々向けの解説を掲載した。

 日銀金融政策決定会合の「主な意見」(3月14、15日開催分)を見ると、内閣府出席者から「『マイナス金利政策』について、引き続き日本銀行としてわかりやすく発信していただき、政策の効果が十分発現するよう取り組んでいただきたいと考える」という意見が出されていたことがわかる。また、安倍首相は3月24日の参院財政金融委員会で日銀のマイナス金利政策について、「自分の預金がマイナスになるのではないかという誤解や不安が広まったことは事実だ」「『マイナス』という言葉が持つイメージから不安は広がった」と述べた。

 こうした政府側の動きに背中を押される形で、「5分で読めるマイナス金利」が発信されたのだろうと、筆者はみている。

ウェブで日銀の主張を平易に解説する

 さて、問題はその内容である。日銀の主張する内容がわかりやすい言い回しで解説されているのだが、「突っ込みどころ」も少なからずある。いくつかご紹介しよう。

「それ(普通預金金利の0.02%から0.001%への引き下げ)で消費が悪くなったりしない?」

 「100万円預けて1年間の利息が200円だったのが10円になったということです。消費を悪くするほどの規模ではありませんよね」


「じゃあどうしたらいいの?」

 「デフレから完全に抜け出すしかありません。そのために、今はがまんして金利を低くして、もっと景気を良くして、物価をもう少しだけ上げていくということです」


「デフレを脱却すれば預金の利息も増える?」

 「デフレから完全に抜け出せば、景気も良くなって、日本経済はもっと元気になります。そうすれば、預金金利も上がります。銀行にとっても、貸出金利を上げても大丈夫になります。これはみんなのためなのです」


「本当にそれでデフレから抜け出せるの?」

 「みなさん忘れているかもしれませんが、3年前まで物価はマイナスでした。今は、ガソリンのように世界中で下がっているものを除くと、物価は1%以上上がっています。『もうデフレには戻らない』というところまで、あと少しです。この3年間、『異次元緩和』は、たしかに効きました。それをもっと強力にするということです。かならずデフレから抜け出せます」


(「5分で読めるマイナス金利」から引用)

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「「5分で読めるマイナス金利」の突っ込みどころ」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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