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「現金大国ニッポン」を読み解く

キャッシュレス化で日米に大きな違い

2017年5月16日(火)

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欧米に比べ、現金信仰が強いといわれる日本。(写真:PIXTA)

「現金強奪事件」でわかった、日本人の現金信仰

 日本が世界でもまれな「現金大国」だという事実を、4月20日に福岡市中心部で起こった現金強奪事件から、あらためて認識させられた。3億8400万円という多額の現金を銀行から引き出したばかりの男性が近くの駐車場で男2人に襲われ、現金が入った大型スーツケースを奪われた。金塊を買うための現金だったという(日本経済新聞による5月10日の報道によると、金の取引には原則として現金決済しか認めない特有の商慣行があるという)。

 その後、福岡空港で7億円を超える現金を海外に持ち出そうとした韓国籍の男性4人が関税法違反で逮捕されたが、これは高級自動車の売買代金ということで、強奪事件とは無関係だったことが判明した。古い話で恐縮だが、筆者が子どもの頃は府中刑務所近くで発生した3億円事件とその迷宮入りが大きな話題になっていた。その3億円の何倍もの現金の束がこの日の福岡市内で動いていたわけである。

 日本人の現金選好がいかに強いかは、国際比較データから一目瞭然である。国際決済銀行(BIS)が傘下の決済・市場インフラ委員会(CPMI)メンバー国・地域について取りまとめた2015年のデータによると、現金(中央銀行が発行する紙幣+コイン)流通残高の対名目GDP比は、日本が19.44%でトップである<■図1>。

■図1:現金流通残高対名目GDP比率の国際比較
(出所)BIS

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「「現金大国ニッポン」を読み解く」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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