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女性の支出の絞り込みが進む

女性の買い物減少「5つのステップ」を考察する

2016年5月17日(火)

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女性の支出の絞り込みには「5つのステップ」がある

 今回は景気の動向について、女性の消費の観点から考えてみる。

女性による支出額の絞り込みの段階には「5つのステップ」がある。リーマンショック後の景気の「谷」の2009年3月には、すべてのステップでマイナスとなった

 2008年9月に「リーマンショック」が発生した後の、景気後退局面の「谷」は2009年3月である。女性が購買層の中心である百貨店の売上高統計(同年4月の全国百貨店売上高)を基にして筆者は当時、女性層による支出額の絞り込みには、以下のように「5つのステップ」があることを指摘した(「プラス」「マイナス」は既存店ベースの前年同月比を示している)。

■図1:女性の買い物減少「5つのステップ」(リーマンショック発生後、2009年4月)
支出額絞り込みの段階(ステップ) 支出絞込みの対象 説明 マイナスの期間
【ステップ1】 「美術・宝飾・貴金属」 いわゆる「光り物」を買うのをやめる 2007年3月以降、26か月連続マイナス
【ステップ2】 「婦人服・洋品」 ファッションにかけるお金を減らす 2007年7月以降、22か月連続マイナス
【ステップ3】 「惣菜」 「デパ地下」のお惣菜を買うといった、ちょっとしたぜい沢も手控える 2008年6月以降、11か月連続マイナス
【ステップ4】 「食堂喫茶」 「ちょっと喫茶店で休憩」もやめるようになる。ランチも安い店で 2008年8月以降、9か月連続マイナス
【ステップ5】 「化粧品」 多くの女性にとって重要な化粧品代も、ついに削減対象になる 2008年12月以降、5か月連続マイナス

 では、足元の状況はどうなっているだろうか。全国百貨店売上高の2016年3月分が、4月19日に公表されている。上記のステップ5つについて直近の状況を記すと、以下のようになる。わかりやすいように、足元で前年同月比がプラスになっているものには〇を、マイナスになっているものには●を付けてある。

■図2:女性の買い物減少「5つのステップ」(2016年3月)
支出額絞り込みの段階(ステップ) 支出絞込みの対象 直近の状況 マイナスの期間
【ステップ1】 「美術・宝飾・貴金属」 前年同月比▲4.3%/2か月ぶりマイナス
【ステップ2】 「婦人服・洋品」 前年同月比▲8.3%/5か月連続マイナス
【ステップ3】 「惣菜」 前年同月比+0.0%/2か月連続プラス
【ステップ4】 「食堂喫茶」 前年同月比▲4.5%/5か月連続マイナス
【ステップ5】 「化粧品」 前年同月比+13.0%/12か月連続プラス

 〇が2つ、●が3つであり、2009年4月のような女性層による支出絞り込みのきれいなステップ感は、少なくともこの統計上では見出されなくなっている。その大きな理由は、中国人など訪日外国人によるインバウンド消費の増加である。

コメント1件コメント/レビュー

役には立ちませんでしたが、上野さんらしい独自の視点で面白かったです。
しかし、この5つのステップは綺麗な相関を描くという証明をしていただきたかったですね。
1997年の消費税増税以前(要するに失われた20年以前)の情報がないと、一読者としては判断もしかねるところなのですが・・・惣菜に関しては値上げ(食料品の価格上昇・コストプッシュインフレ)を考慮していない点など、仮説に怪しい点も見受けられます。
そして、こんなマニアックな指標で考慮しなくても、消費支出の推移を見れば庶民の財布の紐が固くなっているのは理解できると思うのです。
いずれにしても、株価上昇による資産効果などの影響は一般庶民にはあまり縁のない話ですし、(夫の)手取りの給与が増加するなど「分かりやすい」プラスの材料がない限り、消費を増やそうと考える人は多くないでしょう。
私自身は政府の目標を可処分所得の上昇(結果的にそうなればいいので、GDP600兆円という目標を否定するわけではない)にするべきだと思っています。そのために誰が何をするか・・・ということが大事になると思うのですが。
上野さんは(今回のような)分析は正しくても、最終的な結論を間違える(例えば、今回であれば化粧品でインバウンドによる売り上げが伸びたから、インバウンドに注力すべきという結論を謳う)ので批判が多くなってしまうんだと思います。
日本人が日本で普通に消費ができるように促進することを一義にすべきというのが私の意見なのですが、普通に考えたらどちらが正しいのでしょうかね?【あん肝】(2016/05/17 01:46)

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「女性の支出の絞り込みが進む」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

役には立ちませんでしたが、上野さんらしい独自の視点で面白かったです。
しかし、この5つのステップは綺麗な相関を描くという証明をしていただきたかったですね。
1997年の消費税増税以前(要するに失われた20年以前)の情報がないと、一読者としては判断もしかねるところなのですが・・・惣菜に関しては値上げ(食料品の価格上昇・コストプッシュインフレ)を考慮していない点など、仮説に怪しい点も見受けられます。
そして、こんなマニアックな指標で考慮しなくても、消費支出の推移を見れば庶民の財布の紐が固くなっているのは理解できると思うのです。
いずれにしても、株価上昇による資産効果などの影響は一般庶民にはあまり縁のない話ですし、(夫の)手取りの給与が増加するなど「分かりやすい」プラスの材料がない限り、消費を増やそうと考える人は多くないでしょう。
私自身は政府の目標を可処分所得の上昇(結果的にそうなればいいので、GDP600兆円という目標を否定するわけではない)にするべきだと思っています。そのために誰が何をするか・・・ということが大事になると思うのですが。
上野さんは(今回のような)分析は正しくても、最終的な結論を間違える(例えば、今回であれば化粧品でインバウンドによる売り上げが伸びたから、インバウンドに注力すべきという結論を謳う)ので批判が多くなってしまうんだと思います。
日本人が日本で普通に消費ができるように促進することを一義にすべきというのが私の意見なのですが、普通に考えたらどちらが正しいのでしょうかね?【あん肝】(2016/05/17 01:46)

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