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マイナス金利の効果発現を、いつまで待つか

日銀は「波及にある程度時間かかる」と説明するが

2016年5月31日(火)

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「われわれは数か月待たなければならない」

 マイナス金利の景気・物価刺激効果は時間をある程度かければ出てくるはずだと、日銀は主張し続けている。政府も同様のスタンスだ。では、いつまで待つつもりなのだろうか。

2016年1月、「マイナス金利」の導入を決めた時の黒田東彦日銀総裁 (写真:ロイター/アフロ)

 独紙ベルゼン・ツァイトゥングが5月11日に掲載した黒田東彦日銀総裁のインタビューには次の発言があった(同紙ホームページの英文記事から筆者和訳)。

 「金融市場への(マイナス金利の)効果はすでに非常に明確で、意図した通りとなっている。しかし、実体経済への効果を見るために、われわれは数か月(a few months)待たなければならない。われわれには少々忍耐が必要だ」

 「多くの企業家がわれわれに対して、今後数か月のうちに(in the coming months)投資を強化するつもりだと語っている。これはわれわれの日銀短観においても見られることだ。グローバル経済のある程度の不確実性や、金融市場のボラティリティーにもかかわらず、日本の企業セクターは非常に堅固な投資ポリシーを維持している。昨年度も、今年度もだ」

(独紙ベルゼン・ツァイトゥング 2016年5月11日 から)

 これより前、マイナス金利が実体経済にプラスの効果を及ぼすまでの時間差について、黒田総裁は4月28日の記者会見で次のように述べていた(日銀ホームページから引用)。

 「これが設備投資、住宅投資その他、国内需要にプラスに効いてくるというのは間違いないと思うのですが、それまでの間、若干のタイムラグがあるということは、従来、認められていることです。どのくらいかというのは、具体的に申し上げるのはその他の事情にも関連しますので、難しいです。1、2か月ですぐに出るということではなくて、もう少しかかると思いますが、半年も1年もかかるということではないと思っています」

(日本銀行ホームページ 総裁定例記者会見 4月28日 要旨

設備投資が伸びにくいのは、金利以外の問題

 押し下げられた実質金利を経由して、マイナス金利が設備投資や住宅投資を刺激する効果に、日銀は大いに期待している。だが、そうした効果は小さなものにとどまるだろう。設備投資が伸びにくいのは、金利水準の問題ではなく、日本国内の将来の需要見通しが人口減・少子高齢化ゆえに縮小方向のままだからである。住宅投資では、首都圏を中心とするマンション販売価格の大幅上昇が足元でブレーキになっており、住宅ローン金利の高低は重要な問題点ではない。時間の経過とともに、筆者を含む民間エコノミストと日銀の、どちらの見方が妥当なのかが、自ずと明らかになるはずである。

コメント2件コメント/レビュー

まず、確認したいのですがマイナス金利政策などの金融政策に関する現状維持によって起こる「将来のリスク」とは何ですか?そして日本破綻論者の藤巻氏が日本破綻を望む朝日新聞で掲載した戯言に何の価値があるのですか(笑)
エコノミストであり近い将来の予測すらできないのであれば、「〇〇の意見」や「アンケート結果(景気DIなども含む)」などではない、1次ソースで物事を語るべきでしょう。
そして、マイナス金利の悪影響について批判されるのであれば理解できますが、現状では「効果がない」だけであり、我々庶民からしてみれば「どうでも良いこと」なのです。
むしろ、銀行が運用せずに日銀当座預金に積上げた(そして金利を得ていた)結果、デフレを促進してしまったことを恥じて反省しろ、ぐらい言ってみたらどうでしょう?
「設備投資が伸びにくいのは、金利以外の問題」という分析は正しくても、「ではどうするか?」と言う結論が状況の悪化を招く(ことが実証されている)ことばかりなのが最大の問題です。
逆に、悪影響(GDPの減少や格差拡大、税収減少や社会保障費増)が実証された「構造改革」や「消費税増税」、「移民受入」について、上野さんは賛成されているようですが、こちらこそ批判するべきことなのではないですか?
ポジショントークも過ぎると、真っ当な理論展開も怪しく聞こえてきますのでお気をつけて【あん肝】(2016/05/31 10:02)

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「マイナス金利の効果発現を、いつまで待つか」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

まず、確認したいのですがマイナス金利政策などの金融政策に関する現状維持によって起こる「将来のリスク」とは何ですか?そして日本破綻論者の藤巻氏が日本破綻を望む朝日新聞で掲載した戯言に何の価値があるのですか(笑)
エコノミストであり近い将来の予測すらできないのであれば、「〇〇の意見」や「アンケート結果(景気DIなども含む)」などではない、1次ソースで物事を語るべきでしょう。
そして、マイナス金利の悪影響について批判されるのであれば理解できますが、現状では「効果がない」だけであり、我々庶民からしてみれば「どうでも良いこと」なのです。
むしろ、銀行が運用せずに日銀当座預金に積上げた(そして金利を得ていた)結果、デフレを促進してしまったことを恥じて反省しろ、ぐらい言ってみたらどうでしょう?
「設備投資が伸びにくいのは、金利以外の問題」という分析は正しくても、「ではどうするか?」と言う結論が状況の悪化を招く(ことが実証されている)ことばかりなのが最大の問題です。
逆に、悪影響(GDPの減少や格差拡大、税収減少や社会保障費増)が実証された「構造改革」や「消費税増税」、「移民受入」について、上野さんは賛成されているようですが、こちらこそ批判するべきことなのではないですか?
ポジショントークも過ぎると、真っ当な理論展開も怪しく聞こえてきますのでお気をつけて【あん肝】(2016/05/31 10:02)

この記事でおそらく一番重要なのは、末尾で指摘されている「空気」の発生である。効果発言を待っているうちに、より深刻な弊害が生ずる可能性が高い。今後の経済ジャーナリストの課題は、日銀がマイナス金利政策から撤退しやすいような、そういう論議を強化することではないだろうか。責任追及は不可欠ではあるが、適正な政策決定を阻害しかねない、「リアルタイム」での責任追及もどきは行うべきことではない。(2016/05/31 07:35)

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三品 和広 神戸大学教授