• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

「マイナス金利」「究極の運用難」は長期化する

あと4年半以上続く可能性も

2016年6月7日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

日本銀行による「マイナス金利」政策導入から3カ月半が過ぎた。銀行など金融機関では、金利低下の長期化による運用難への懸念が増している。この実験的な政策が今後どのくらい継続するのか、さらには継続の影響について今回は考察する。
日本銀行の黒田東彦総裁(写真:ロイター/アフロ)

日本の金融機関はどこまで耐えられるか

 2018年9月に満了する安倍晋三首相の自民党総裁任期が、東京五輪開催期間を含むように仮に2年ほど特例で延長されることを前提にすれば、日銀が実施している「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」とそれに伴う機関投資家の「究極の運用難」は、少なくともあと4年以上は続いていくと見込まれる。

 貸出金利と有価証券運用利回りの両面から、収益に対する縮小圧力が中期的に及び続けるという厳しい状況に、日本の金融機関はどこまで耐えられるのだろうか。

 マイナス金利や量的緩和が長期化すると筆者が予想している理由を、Q&A方式で説明してみよう。

2%の物価目標を持続的に達成するのは不可能

Q:マイナス金利は長期化せざるを得ないとみる理由は何か。

A:マイナス金利が量的・質的金融緩和と別枠ではなく、セットで「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」という形にされ、全体が「物価安定の目標」2%達成の有無とリンクしている点が重要である。

 グローバル化やIT化といった構造変化ゆえに、米欧でも達成が困難になっている2%水準の物価目標を、潜在成長率がきわめて低い日本が持続的に達成するのは不可能に近い。したがって、この実験的な緩和は事実上、「エンドレス」になっている。

 物価上昇による正面からの「出口」到来は考えにくく、「政治的な出口」しか想定できない。すなわち、リフレ派の見解を強く支持している安倍氏の次の首相が、日銀の実験的金融緩和が経済・金融システムにもたらしている弊害や副作用(特に、「血液循環」を司る金融機関の収益を中期的に過度に圧迫することによる地方経済への悪影響)に注目し、金融緩和路線の部分的な修正を日銀に迫るシナリオがそれである。量的・質的金融緩和から切り離してマイナス金利だけを解除する手法が想定される。

 誰が「ポスト安倍」になるのかが、市場関係者にとって、きわめて大きな関心事となる。

コメント3件コメント/レビュー

物価は、需要と供給と原価のバランスなので、需要が供給を上回れば物価はあがる。需要者を増やす対策、即ち少子化対策 子育て対策を強力に進めることが王道ではなかろうか!(2016/06/08 13:22)

「上野泰也のエコノミック・ソナー」のバックナンバー

一覧

「「マイナス金利」「究極の運用難」は長期化する」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

物価は、需要と供給と原価のバランスなので、需要が供給を上回れば物価はあがる。需要者を増やす対策、即ち少子化対策 子育て対策を強力に進めることが王道ではなかろうか!(2016/06/08 13:22)

この記事だけでなく、最近の消費税引き上げ延期に関わる安部首相の発表に対する新聞記事を読むにつけ、大本営発表をそのまま受け入れていた第二次大戦前の世の中と大きな違いがあるのか?と自問せざるを得ません。第二次大戦が原爆を2発落とされるまでその終結を決断出来なかった時代と、金融市場を麻痺させて大きな爆弾を抱えている現在と、厳しい現実を見通すことが出来ないと云う意味で、同じ状況だと云うことが良く判りました。(2016/06/07 12:20)

相も変わらずマイナス金利叩きを続ける筆者だが、銀行も証券会社も弱い顧客(或いは貸付先)に対してはある程度のリスクテイクが無いとリターンは無いと説明する。今回は金融関係者が同じ事を求められているだけ。金融業は慈善事業ではないにしても一定の公共性というか責任がありそれと引き換えの護送船団方式だったはず。国に守ってもらう代わりに中小会社や地場産業を資金的に支援するのが暗黙の認識だったが証券会社は小口の個人投資家を自己責任として救済せず銀行は小口の融資先から貸しはがしを行った。だから同じ風が金融機関に吹くのは当然だ。ただそうなれば次に来るのは口座維持費用の個人負担かな。個人的にはそれで良いと思う。口座が激減し潰れる金融機関も出ると思うがそれも含めて企業の自己責任だ。
そもそも、当座預金は金利ゼロが原則だろう。そこに資金を豚積みにしてまともに運用しない金融機関はプロとはいえないから淘汰されるべきだ。(2016/06/07 10:05)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

面白い取り組みをしている会社と評判になれば、入社希望者が増える。その結果、技能伝承もできるはずだ。

山崎 悦次 山崎金属工業社長