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日銀の「粘り強さ」が想起させる「あの戦争」

日本経済「底力」論と距離がある「前線」の状況

2017年8月8日(火)

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 山本五十六提督は「1年や2年は暴れてご覧にいれます」と述べたというが、その後の明確な展望が日本にはなかった。「米国の軍事力を大幅に低下させれば有利な条件で講和に持ち込めるはずだ」といった漠然とした構想だけで戦争に突入したものの、ミッドウェー海戦で主力空母の多くを失ってしまい客観的に見ればもはや勝つ見込みがなくなった後も、神風期待や精神論を支えに戦争を続け、多くの犠牲者を出した。

「底力」という言葉は、戦時中の精神論の延長線上にある

 日銀生え抜きの中曽宏副総裁は7月26日に広島で行った記者会見で次のように述べて、物価上昇2%は達成可能だと主張した。そこでキーワードになった「底力」という言葉に、太平洋戦争当時のような精神論めいたものを感じてしまったのは、筆者だけではあるまい。時代が変わっても、日本人のメンタリティーには変わりがないことを痛感する。

 「私は、日本経済における労働生産性の引き上げ余地はまだ相応にあり、潜在成長率の伸び代もまだ随分残されていると思っています。つまり、日本経済の底力はこんなものではないはずだと思います。日本経済の底力をもってすれば、2%の『物価安定の目標』の達成は可能だと思っています」

 「申し上げたいことは、日本経済の底力はもっとある、まだ伸びるという見方を共有して、そのもとで、企業が企業家精神を発揮していくことが、成長期待が幅広い主体で共有されることにつながっていくということです」

人口対策の強化がやはり必須だ

 日本経済の「底力」を持ち上げる努力を加速すべき責任を最も有するのは、基本的には自社の収益重視の企業ではなく、公共の福祉に資する役割を担っている政府だろう。人口対策の強化が必須だと、筆者はずいぶん前から主張し続けている。

 だが、安倍首相がいま掲げているのは「人づくり革命」であり、日本の国土に滞在してお金を使う人の「数」は増えない。

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「日銀の「粘り強さ」が想起させる「あの戦争」」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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