• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

日銀「長期戦」で、ますます続く「カネあまり」

終わりなきマネーゲームの行方は

2016年9月27日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 日銀は9月20、21日に開催した金融政策決定会合で、「レジームチェンジ」後の金融政策運営に関する「総括的な検証」を実施。長時間にわたる討議の末、結果をペーパーの形で公表するとともに、新たな金融政策の枠組みである「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の導入を決定した。1月に「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」に衣替えしたばかりだったが、それから1年も経たないうちの大きな政策変更である。

新たな枠組みでは、長短金利を操作目標に

 新たな枠組みの2つの柱は、①「イールドカーブ・コントロール」(長短金利操作:そのために新たに用意された手段は、10年物国債利回りが概ね現状程度=ゼロ%程度で推移するように指値で、つまり日銀が利回りを指定して行う長期国債買い入れと、実施できる期間を最長10年まで長期化した固定金利方式資金供給オペレーション)、②「オーバーシュート型コミットメント」(消費者物価上昇率の「見通し」ではなく「実績値」が安定的に2%の「物価安定の目標」を超えるまでマネタリーベース拡大方針を継続するという従来よりも強化された「フォワードガイダンス」)である。

9月21日、日銀の金融政策決定会合後の記者会見で、「オーバーシュート型のコミットメント」(2%の物価目標を超えるまで、マネタリーベースの拡大を継続するという公約)のパネルを横に置いて説明をする日銀の黒田東彦総裁。(写真:ロイター/アフロ)

 日銀は上記①「イールドカーブ・コントロール」について、「実質金利低下の効果を長短金利の操作により追求する」ものとして「新たな枠組みの中心に据えることとした」と説明した。

 短期の金利については、日銀当座預金のうち政策金利残高に適用されているマイナス金利(現在▲0.1%)が、あたかも虫ピンで止めるように、短期の金利を一定範囲内にとどめるツールになる。

10年物国債利回りがゼロ%程度になるよう買い入れ

 また、長期金利については上記の通り、10年債の利回りがゼロ%程度にピン止めされる。足元から10年までのイールドカーブは、これでだいたい決まる。その先、10年を超える超長期ゾーンの金利は変動し得るわけだが、日銀金融市場局が公表したペーパーによると、今回の政策導入時点のイールドカーブからの大幅な乖離は許容されないようである。金利の上昇方向は、たとえば20年債の指値での買い入れを実施し、特定の金利水準で無制限に買い入れることによって、キャップをはめる。一方、金利が過度に低下する場合については、国債買い入れの落札利回りに下限を設定して食い止めることが想定されている。

 また、②「オーバーシュート型コミットメント」に関しては、「適合的な期待形成」(現実の動きをベースにいわば後ろを振り返るような形で期待が形成されること)の要素が強い日本の予想物価上昇率の状況に対応するため、「予想物価上昇率をより強力な方法で高めていくことが必要であると判断」して採用することにしたと説明。「できるだけ早期に」2%を実現するというコミットメントは堅持しつつも、「『適合的な期待形成』の要素が強い予想物価上昇率を引き上げていくことには不確実性があり、時間がかかる可能性もある」、要するに長期戦・持久戦が想定されることを踏まえて、「枠組みの中心にイールドカーブ・コントロールを据えることで経済・物価・金融情勢に応じたより柔軟な対応を可能とし、政策の持続性を高めることが適当であると判断した」と説明した。

コメント4

「上野泰也のエコノミック・ソナー」のバックナンバー

一覧

「日銀「長期戦」で、ますます続く「カネあまり」」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

企業や官公庁の幹部のメールボックスの内容が、まるごと数十万〜数百万円で売られている事例もある。

名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官