• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

今年もあてはまりそうな「値下げ>値上げ→日銀追加緩和」の法則

2015年9月29日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

またしても日銀に試練?(写真=Bloomberg via Getty Images)

 食品関連を中心とする販売価格の上昇をうけて消費者のマインドが悪化するにあたっては、企業からの値上げ発表を伝える新聞やテレビのニュースの増加が大きな役割を果たしたと、筆者はみている。

 けれども、日々の生活の中で読者の方々もそう感じておられると思うが、最近は値上げのニュースが明らかに減少しており、むしろ値下げについてのニュースの存在感が増しつつある。典型例はガソリンで、直近では輸入小麦の値下げなどが報じられた。

 そのあたりを数字で確認するために、新聞記事検索ツールを用いて、全国紙5紙に掲載された「値上げ」「値下げ」という言葉を含む記事数をカウントしてみたところ、興味深い事実が浮かび上がった<図1、図2>。

■図1:全国紙5紙に掲載された「値上げ」という言葉を含む記事数
注:2015年9月は23日時点
出所:日経テレコンで検索した全国紙5紙掲載記事数から筆者作成
■図2:全国紙5紙に掲載された「値下げ」という言葉を含む記事数
注:2015年9月は23日時点
出所:日経テレコンで検索した全国紙5紙掲載記事数から筆者作成

 「値上げ」という言葉を含む記事の掲載数は、消費税率引き上げの直前だった2014年3月に718件に達した。しかし、増税後の景気悪化を背景に、その後は減少基調。同年9月には332件になった。日銀が追加緩和に動いたのは翌10月である。

個人消費が冷え、値上げしにくい状況に…

 2014年10月から12月までは、年末にかけて観察された「値上げ発表ラッシュ」(パスタ、アイスクリーム、冷凍食品、カレールー、紅茶、ちくわ、牛丼など)をうけて、掲載数は水準を切り上げ、12月には586件に達した。15年1月から3月は水準を切り下げたものの、4月と5月は増加し(この時期にはハンバーガー、家庭用小麦粉、乳飲料、持ち帰り弁当などの値上げ発表があった)、5月には400件を超える水準まで戻した。

 その後、冒頭で述べたように、身近な品目の値上げが個人消費を冷やしていることが明らかになってくると、値上げを発表しにくい雰囲気・状況に世の中が変わったことを察したのか、企業による値上げ発表のニュースが減少するようになった。

 原油など国際商品市況が再び下落したことも加わり、掲載数は6月から8月まで3か月連続の減少。8月は248件で、9月は23日時点で168件にとどまっている。

コメント6件コメント/レビュー

分析の指標が興味深かったです。
いくつか有望そうな指標を策定して事後検証し、
相関性の高い指標があれば定期的に公表してみてはいかがでしょうか。(2015/09/30 10:16)

「上野泰也のエコノミック・ソナー」のバックナンバー

一覧

「今年もあてはまりそうな「値下げ>値上げ→日銀追加緩和」の法則」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

分析の指標が興味深かったです。
いくつか有望そうな指標を策定して事後検証し、
相関性の高い指標があれば定期的に公表してみてはいかがでしょうか。(2015/09/30 10:16)

予測が当たるかどうかはさておき、独自の指標で分析する手法は面白かったです。
牛丼も時限的とはいえ値下げに入ったようで、インフレが継続する景況感じゃないですよね。
黒田総裁はコアコアCPIが上昇基調だと強気ですが、詳細データを見るとコアコアCPIを牽引しているのは宿泊費。
観光客が爆発的に増えた影響なんでしょうが、果たして日本経済の状況を判断する指標にして良いものかどうか。(2015/09/29 17:16)

結局、岩田規久男先生(日銀副総裁)が論じていた、期待インフレ論は少なくとも短期的には存在しないことが明らかになりました。
また、食料価格の上昇はコストプッシュインフレであり、日銀が期待するのようなインフレの兆候でないことも明らかにしておかなければなりません。
ここにきてコアコアCPIを指標とすべきとの論もやっと出てきましたが、原油価格が上昇している時からそのように論じていただきたかったところです。
結局、日銀が更なる金融緩和を行ったところで、市場にお金がだぶつくだけでしょう(円安・株高にはなる)
結局、インフレ目標というコミットメントを達成できなかった黒田さんと岩田さんは辞任されるか、金融政策以外に言及するかして責任を取るべきだと思うのですが…
いずれにしても、現在の日本の状況でインフレ率を上昇させたいのであれば、財政出動か消費税減税しかないわけです。
そちらには決して触れない上野さんの論も面白く拝見しています。(2015/09/29 16:28)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

小池さんがこの言葉(排除)を述べたことで、「風」が変わっていきました。 ただし、小池さんが言ったことは正論です。

若狭 勝 前衆院議員