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いま急激な円高が来たら景気も投資家も「終了」

10月30日、日銀は追加緩和に動くだろう

2015年10月13日(火)

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写真:ロイター/アフロ

 「仮に円高ドル安がいま急激に進んだら、国内の景気もマーケット参加者もアウトではないか?」と、筆者は最近いつも考えている。

 市場全体がリスクテイクを抑制する方向(「リスクオフ」)に傾斜して株価が急落している。そんな中で、今年度に入ってから購入した株式ファンドなど、相対的にリスクが高い資産の含み損を(恐らく)抱えているにしては、国内機関投資家の側に浮き足立つ様子はほとんど見られない。昨年度の相場動向の中で膨らんだ値上がり益を年度初めに実現し確定したため「貯金」があるのが大きな理由とみられる。だが、それだけではないだろう。

 市場が全般に「リスクオフ」に傾き、海外投資家がまとまった金額で日本株の売り越しに転じたにもかかわらず、ドル/円相場はあまり円高ドル安方向には動いていない。このことが「防波堤」のような役割を演じており、投資マインドの全面的な悪化が回避されているのではないか。筆者はそうみている。

円安トレンド前提の機関投資家が多い中で…

 円安トレンドの継続を暗黙の前提にして為替リスクを含む運用をしている機関投資家は少なくない。仮に、直近ドル安値である116.15円(8月24日)や年初来ドル安値である115.85円(1月16日)を超えて円高ドル安が進む場合、それら投資家のポジションの傷みがダイレクトに拡大しやすくなる。

 さらに、間接的には、輸出関連企業の為替面からの業績下方修正懸念が増大することを通じて、株式関連ポジションの価格下落リスクが増大する、というルートも警戒せざるを得なくなる。10月1日に発表された日銀短観9月調査で、大企業・製造業の2015年度事業計画・想定為替レート(ドル/円)は、前回調査結果から円安方向にシフトし、117.39円(上期117.50円、下期117.28円)になった。為替差益になり得る部分である市場実勢との「すき間」は、かなり小さくなっている。

 また国内景気は、力強く持続的な「けん引役」が不在のため本質的に不安定である上に、「中国リスク」によって下押しされている状況である。そうした時に「円高ショック」が加われば、景気が後退局面に陥る可能性が高まる(すでに景気後退に陥っているとすれば、落ち込みが深くなることは避けられない)。

 では120円近辺というドル/円相場の足元の位置は、どう認識しておくべきか。ここで整理しておくと、筆者の見解は以下の通りである。

 ◆米住宅バブル崩壊後の「リスクオフ」の円高局面と、その後の「リスクオン」の円安局面というワンサイクルは、既に終了した。すなわち、① 124.14円(2007年6月22日)→② 75.32円(2011年10月31日)・76.03円(12年2月1日)→③ 125.86円(2015年6月5日)という流れである。円安ドル高局面は基本的には既に終わっており、現在はトレンドレス(あるいは次の方向感を探る時間帯)となっている<図>。

■図:ドル/円相場
(出所)日銀

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「いま急激な円高が来たら景気も投資家も「終了」」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師