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金融緩和長期化で浮上した「日銀総裁機関説」

誰が総裁でも「金融政策の継続性」は保たれる?

2016年10月25日(火)

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日銀総裁はテクノクラートにすぎず、与えられた課題(2%の物価上昇)を解くことに専念すべきだという考え──「日銀総裁機関説」が、黒田東彦総裁の周囲の幹部の間で流行しているという。(写真:ロイター/アフロ)

すべての日本国債を日銀が保有する日

 日銀は今年4月の経済・物価情勢の展望(展望レポート)で、消費者物価の前年比が「物価安定の目標」である2%程度に達する時期の見通しを、「2017年度中」に後ずれさせた。

 次の7月の展望レポートでは「2017年度中になるとみられるが、先行きの海外経済に関する不透明感などから不確実性が大きい」と記述して、さらなる後ずれの可能性が高いことを匂わせた。

 そして、10月8日の外資系メディアのインタビューで黒田東彦日銀総裁は、物価目標達成は2018年度にずれ込む可能性があることを示唆し、「2%の物価上昇を達成するため、今後何か月も何年にもわたってわれわれの金融政策を続け、あるいは強化さえするつもりがある」と述べた。年間約80兆円の国債買い入れは「10年以上は続けられる」と黒田総裁が同じ日の講演で強調した、という報道もあった。本当に10年も買い続けたら、「日本国債は日銀が全部保有しています」といったことになりかねないのだが…。

物価目標2%達成時期は、徐々に後ろ倒し

 9月21日に行われた「総括的な検証」と「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」導入で、「長期戦・持久戦」対応へと日銀は金融緩和の枠組みを切り替えた。これには、任期が満了する2018年4月に黒田総裁が再任されるか否かにかかわらず異次元緩和は続けられていくということを内外に示す狙いもあったと考えられる。

 さらに言えば、まず「長期戦・持久戦」に対応できる態勢に切り替えた後で、物価目標2%達成時期の2018年度へのずれ込みをアナウンスするという順番にした方が、市場から即時あるいは早期の追加緩和を求められる可能性が小さくなり、政策運営が楽になるという判断もあったと考えられる。そうしたシナリオが総裁・副総裁や企画ライン幹部の頭の中にあったがゆえに、7月の時点では「不確実性が大きい」と付加したグレーな記述にとどめておいたのだろう。

 そうしたことに足元の物価状況を考え合わせると、11月1日に基本的見解が公表される最新の展望レポートでは、2%到達時期の見通しが「2018年前半頃」あるいは「2018年度中」へ、さらに後ずれする可能性が高い。その場合、黒田日銀総裁の任期満了(2018年4月8日)よりも後という話になる。

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「金融緩和長期化で浮上した「日銀総裁機関説」」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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