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営業職女性を戦略的に育成していく

生産性の高い新たな営業スタイルを開発

2015年11月27日(金)

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女性活躍には女性の職域拡大は欠かせないが、企業が考える課題のひとつに営業職女性の育成・登用がある。出産を契機とした離職や育休復帰後の仕事のアサインに悩む企業は多い。今回は営業職女性の戦力化を進める日立ソリューションズ取締役兼常務執行役員営業統括本部長の井上雅行氏にその戦略と奏効している施策を聞いた。

(インタビューアー/麓幸子=日経BPヒット総合研究所長・執行役員、文・構成/西尾英子)

女性営業職は戦力として非常に期待の高い存在

日本企業の女性活躍の課題のひとつに女性の職域拡大があります。営業職の女性の育成・登用に課題があると認識している企業が多いのですが、そもそも、営業の分野でなぜ今、女性の力が必要なのか、お答えください。

井上雅行常務執行役員(以下、井上):主な理由は2つあります。まず、我々にとって、女性が戦力として非常に期待の高い存在だということ。パソコン機材の取引に始まり、基幹システムのリプレースまでしっかりこなす力がある。海外の企業とアライアンスを組み、スキームを決めて動かしていくような仕事も男性と何ら変わりなくやっています。現在、約600人の営業職のうち、女性比率は16.5%。当社の中では営業統括本部が女性比率が一番高いんです。ちなみに今年入社の新入社員の半分は女性です。

 そして2つめに、急速な環境の変化が挙げられます。グローバル化の加速はもちろんですが、情報システムの世界でも、従来の基幹システムをこなすだけでなく、新分野の開拓が求められる時代です。顧客企業の状況を分析したり、より生産性を上げていくための提案をするなど、我々自身も変わっていかなくてはいけない。そのためには、女性はもちろん、障がい者、外国人など多様な人たちで構成された組織を作り、イノベーションをおこしていくことが大切です。

女性営業職の育成についてはどうでしょうか。男性上司は、女性には男性と比べると比較的簡単な営業先を担当させたり、営業件数を減らしたりする。それに対して、男性部下にはタフでチャレンジングな課題を与えて鍛えるので、男性は成長し、女性が伸び悩むという傾向があります。同じ営業職でも男女均等処遇にはなっていない企業が多いようです。

井上:当社ではそういったことはありませんね。男女とも全く隔たりなくお客様を担当しています。私が会社に入った30年前くらいは、女性は結婚や出産で会社を辞めるケースがほとんどでしたので、辞めてもダメージが少ないような配置や仕事の振り方を変えるという風潮があったのも事実です。しかし当時から、数少ない女性陣は優秀でした。彼女たちの戦力化を本当の意味で考えなかったら、宝の持ち腐れになってしまいます。当社ではキャリアの早い段階から、管理職への登用を意識した育成計画を策定しています。いろいろな仕事をアサインしたり、海外研修に派遣したり、他の会社に出向させたりしながら、女性のキャリアの幅を広げ、計画的に育成しています。 当社の女性営業職は仕事に対して非常に意欲的ですよ。新入社員が配属されたとき、一番最初に注文を取ってくるのは、どの部門でもたいてい女性なんです。

1978年日立製作所入社。2008年情報・通信グループ ゼネラルマーケットビジネス統括本部長。09年情報・通信システム社 情報・通信グループゼネラルマーケットビジネス統括本部長。11年日立ハイシステム21代表取締役社長。13年日立ソリューションズ 常務執行役員 営業統括本部長。15年取締役 兼 常務執行役員 営業統括本部長(現在)。

ただし女性の場合、出産・育児などで時間の制約や制限が生じる可能性が高く、営業の現場で活躍するには限界があるという声もあります。育休復帰後の営業職の女性社員を営業から外す、コーポレート部門に配置転換することも多く見られるケースですが。

井上:当社は、現職復帰がルールですから、営業も元のお客様の所に戻りますし、その他もこれまでと変わりはありません。当社では、ひとりで1社の顧客を担当するのではなく、数人のチームで何社かを受け持つスタイルなので、互いをカバーしやすく、復帰してもスムーズに戻りやすい環境なのだと思います。以前、営業部の女性たちに育休後の悩みについてヒアリングをしたところ、「情報の世界は技術進歩が激しいので、休んでいる間にテクニカルタームが分からなくなることが一番恐い」という意見が多かった。ところが、今はパソコンさえあればどこでも情報を見ることができます。

 育休中に、会社やお客様の情報を共有できたり、コミュニケーションがとれる場を提供すれば、彼女たちの不安は解消すると考えています。お客様や案件の情報を共有できるデータベースはすでにあるので、それを生かして、ブランクを感じることなく、戻ることのできる体制を作っていきたいですね。なにより、営業統括本部の女性社員が、「ここで働いて本当によかった」と思える環境を作ることが私の使命だと思っています。

 それに、なにもお客様の元へ直接足を運ぶことだけが営業の仕事だとは思っていません。女性に時間の制約が生じるのであれば、その条件の下で、彼女たちの柔軟な視点と情報収集力を生かして活躍してもらうにはどうすればいいか。現在、さまざまな方法を探りながら、新しいスタイルを模索しています。例えば、マーケティングで顧客のニーズを分析するなど、クリエイティブな領域を担う。リモートでお客様とのリレーションシップを取る方法もあります。従来の訪問メインの営業スタイル以外の方法を探っている最中ですね。

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「営業職女性を戦略的に育成していく」の著者

麓 幸子

麓 幸子(ふもと・さちこ)

日経BPヒット総研所長・執行役員

1962年秋田県生まれ。1984年筑波大学卒業。同年日経BP社入社。2011年12月まで5年間日経ウーマン編集長。2012年よりビズライフ局長に就任、日経ウーマンや日経ヘルスなどの媒体の発行人となる。2014年より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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