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米議会、ロシアゲートでついに本丸に切り込む

クシュナー証言はトランプ大統領に吉と出たか、凶と出たか

2017年7月31日(月)

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米下院での証言を終え退出するクシュナー氏(写真:ロイター/アフロ)

米議会が「ロシアゲート」究明で慌ただしい動きを見せていますね。

高濱:米上下両院の情報特別委員会は7月24と25日、ドナルド・トランプ大統領の娘婿のジャレッド・クシュナ―上級顧問に相次いで事情聴取しました。さらに26日、上院司法委員会が、同大統領の長男であるドナルド・トランプ・ジュニア氏と、選挙対策本部長を務めたポール・マナフォート氏を事情聴取しました。4つの事情聴取はいずれも非公開でした(ただし、クシュナー氏は事情聴取に先立ち、書面で証言を提出)。

 議会の各委員会は調査する疑惑を二つに絞っています。

 一つは、トランプ陣営の幹部だったクシュナー、ジュニア、マナフォートの3氏とロシア人弁護士の4人が面談した16年6月9日の内容。ロシア側から「ヒラリー・クリントン民主党大統領候補に不利な情報がある」と打診されてジュニア氏がセットした会談の席上で、「クリントン追い落とし工作」に関わるなんらかの「共謀」があったかどうか、です。あったとすれば、1971年に制定された「連邦選挙法」に抵触します。むろん、有罪となります。

 この件は、ボブ・モラー特別検察官が率いる独立捜査チームにとっても重要な捜査案件の一つになっています。

 もう一つは、政権移行期間中の16年12月1日に、クシュナー氏がセルゲイ・キスリャク駐米ロシア大使と面談した時の会談内容です。

 ロシア政府とトランプ陣営との間に極秘通信ルートを開設するというロシアからの提案についてクシュナー氏はどう応じたのか。その計画はどうなったのか。米国の民間人が外国の外交官と「外交交渉」したり、外国人が選挙に介在したりすることは法律で固く禁じられています。またクシュナー氏がロシア大使と接触する際に「機密事項取り扱い許可」(Security Clearance)を司法省に申請をしていたか、も調査対象になっています。

「ロシア人弁護士との会談はジュニアがセットした」

クシュナー氏の証言には説得力はありましたか。

高濱:クシュナー氏は「ロシア当局との不適当な接触はなかった」と言い切り、事情聴取を終えたあと記者団の前で潔白であることを強調しました。

 クシュナー氏は委員会での事情聴取に先立ち、書面証言(11ページ)を提出しました。非公開の証言ゆえ、出席した議員から「不正確な証言内容」がリークされるのを警戒したためと見られます。リークによるメディア報道をいかに恐れているかの表れでしょう。

 クシュナー氏が「ロシアゲート」疑惑について公式な発言をするのはこれが初めてです。書面は、16年6月9日の会合でも同12月1日の会合でも、自分は「不適切な接触をしたことは一切ない」と強調しています。

 この書面証言について、司法省で連邦検事を務めた経験を持つレナト・マリオッチ氏は、法律専門サイトで次のようにコメントしています。「弁護士との綿密な協議の下に組み立てられた、一見非の打ちどころのないような証言だが、モラー特別検察官はその行間に隠れた部分に注目しているはずだ」

 クシュナー氏は、核心部分については「忘れた」「記録した文書は見つからない」を連発しています。ロシア人弁護士との会合をセットしたのは自分ではない(注*1)、「機密事項取り扱い許可」が未申請だったのは秘書が忘れたためだ(注*2)、と逃げを打っているのです。

注*1:「16年6月9日の会合はジュニアがセットした。自分は最初の10分間で中座した。自分が同席している間に選挙の話は一切出なかった」と釈明。
注*2:「司法省への『機密事項取り扱い許可書』の未申請は秘書の手違いで事前提出できなかった」と釈明。


11ページにわたる書面証言を読んでほかに感じたことはありますか。

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「米議会、ロシアゲートでついに本丸に切り込む」の著者

高濱 賛

高濱 賛(たかはま・たとう)

在米ジャーナリスト

米政治・経済・社会情勢を日本に発信している。1969年、米カリフォルニア大学卒業、読売新聞社に入社。米特派員、総理官邸・外務省担当キャップ、デスクを経て、調査研究本部主任研究員。98年からUCバークレー校上級研究員。同年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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