• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

米国は日中韓首脳、日韓首脳会談をどう見たか

2015年11月5日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

(写真:新華社/アフロ)

3年半ぶりに実現した日中韓首脳会談を米国はどう見ていますか。

高濱:日中韓首脳会談後に発表された共同文書を読んだ米国務省OBの一人は、私にこうコメントしました。「予想通り、具体的な問題の解決は先送りされた。その点ではノー・サプライズ(驚くようなことはなかった)、ノー・ブレークスルー(劇的な突破口は開かれなかった)だった。が、センシティブな政治問題に踏み込むことなく器作り、つまり継続した対話の場作りに徹することで解決への糸口を探り当てた」。

「儒教的発想」で「器作り」に専念した首脳会談

 他方、宗教社会学者のディクソン・ヤギ博士はユニークな見方をしています。同博士は宗教の視点から国際政治を俯瞰してきた学者。自称「クリスチャン・ブディスト(仏教徒)」で、日本の神道や儒教にも造詣がある人です。

 「自分の信念を絶対に曲げない3人が集まって、わだかまりを解消しようとするときには、相手の嫌がる話は避けるしかない。解決のための選択肢は、問題を一度脇におき、場を変えて2人だけで話し合うときに改めて持ち出し、解決策を探ることだ。三国志などに頻繁に登場する儒教的やり方である。日中韓に共通するのは儒教思想。一神教を信じるイスラエルとパレスチナとの交渉では出てこない方法だ。一神教には妥協か決裂しかない」

 ここで言う「器」とは、今後定例化されることになる日中韓首脳会議などを指します。慰安婦問題は日韓2か国で協議する場が器になるでしょう。中国南シナ海で海洋権を拡大しようとしていることや尖閣問題は、「場所を変えて」日中間、あるいは米中協議で話し合いを続けることになります。

 「敏感な問題については棚上げ」「うわべを繕った首脳会談」--欧米のメディアがこう報じているのは、やはり一神教的発想からなのかもしれません。
(‘"China, Japan, South Korea Skirt Sensitive Subjects," Mitsuru Obe and Jonathan Cheng, Wall Street Journal, 11/1/2015)

米国は南シナ海問題を取り上げないことを知っていた

しかし米国には、中国の南シナ海への進出など「敏感な問題」を論議しなかったことに失望感があるのではないですか。白黒はっきり決めたがるのが、ヤギ博士のいう「一神教」の米国でしょうから。

高濱:確かに日中韓の首脳が一堂に会するなら、中国の南シナ海での動きについて同盟国・日本が国際法をタテに厳しく批判する場面を米国が期待してもおかしくはありません。とくに米艦艇が中国の人工島12カイリ内を航行し、これを中国艦艇が追跡するなど緊迫する場面があったばかりですし。

 ただ米政府当局者たちは今回の首脳会談がセットされた時点で、そうした安全保障上の懸案は話し合われないだろうと見ていたフシがあります。そのように、前述の国務省OBなどは言っていました。

 一方、「場を変えた」日中首脳会談では、安倍首相は南シナ海情勢に言及し、中国の動きを厳しく批判しました。米国はむろんこれを評価しています。

「アメリカ現代政治研究所」のバックナンバー

一覧

「米国は日中韓首脳、日韓首脳会談をどう見たか」の著者

高濱 賛

高濱 賛(たかはま・たとう)

在米ジャーナリスト

米政治・経済・社会情勢を日本に発信している。1969年、米カリフォルニア大学卒業、読売新聞社に入社。米特派員、総理官邸・外務省担当キャップ、デスクを経て、調査研究本部主任研究員。98年からUCバークレー校上級研究員。同年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の経営者は、経験を積んだ事業なら 失敗しないと思い込む傾向がある。

三品 和広 神戸大学教授