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海洋安保をめぐって激化する本物のスターウォーズ

日印は宇宙空間でも連携するべき

2016年3月10日(木)

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 海洋安全保障をめぐって宇宙空間でも競争が起きている。映画のスターウォーズほど派手ではないが活発な動きだ。今月、東京で「安全保障分野における日米宇宙協議」が行われた。先月は米国とインドが宇宙利用に関する協議を行い、海洋安全保障についても話し合った。

 特にインドは具体的な動きを進めつつある。南シナ海を囲むベトナム、ブルネイや、インドネシアにも衛星追跡局(厳密には、データ受信追跡テレメタリー局)を設置する計画だ。すでに1月、ベトナムの施設は完成した(図1参照)。

 こうした動きは何を意味しているのだろうか。それは地域の安全保障情勢、そして日本の国益にとってどのような意味を持つのか。本稿は、海洋安全保障と宇宙空間のかかわりと、特にインドが進める宇宙利用に焦点をおき、日本の国益について考察する。

図1:インドが衛星追跡局を整備しつつある国々(オレンジ色)
出所:筆者作成(インドは、インド洋のモーリシャス、アンダマン・ニコバル諸島=インド、東南アジアのベトナムのホーチミン市、ブルネイ、インドネシアのビアク島、南太平洋のフィジーに、衛星追跡局を設置する)

海洋安全保障と宇宙空間が交わる3つ交差点

 このトピックを考える際に、まず気になるのは、そもそも宇宙が海洋安全保障にどうかかわるのか、ということだ。一見すると明確ではないかもしれない。しかし、実は大きなかかわりが出始めている。それは大きく3つに分かれる。南シナ海を例に説明しよう。

 1つ目は、南シナ海で何が起きているかを知るために宇宙が活用されている。例えば、南シナ海で中国が進める人工島建設や対空ミサイルの配備動向を把握するため、米国の戦略国際問題研究所(CSIS)は人工衛星を使った画像を利用している。南シナ海のように、人があまり住んでおらず、周辺各国のレーダー網の整備も十分でない海で何が起きているのか把握するには、衛星の力に負うところが大きい。

 2つ目は、自分がどこにいるかを把握すること。中国が建設している人工島から12カイリの海域に米国が軍艦を航行させる場合、衛星を利用した位置測位(GPS)システムが有用だ。

 3つめは通信である。状況をいち早く届けるのに衛星通信を使用するのである。衛星通信は妨害されづらく、軍事用には最適だ。

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「海洋安保をめぐって激化する本物のスターウォーズ」の著者

長尾 賢

長尾 賢(ながお・さとる)

東京財団研究員

2001年、学習院大卒。自衛隊、外務省勤務後、学習院大学大学院でインドの軍事戦略を研究、博士取得。現在、東京財団と日本戦略研究フォーラムの研究員、学習院大学非常勤講師。専門は安全保障、インド

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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