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日米印3か国がインド洋に築く「海中の城壁」

2016年8月19日(金)

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中国の潜水艦。インド洋での活動を活発化させている(写真:AP/アフロ)

 東シナ海、南シナ海での中国の行動に注目が集まる中、静かに進む巨大計画があるようだ。米国際戦略研究所(CSIS)が2016年6月に公表した研究によると、日本、米国、インドの3か国が協力して、インド洋の東半分(ベンガル湾)に非常に大規模な潜水艦探知網を形成しようとしている(注)。この計画について書かれた論文は、この探知網を「海中の城壁(undersea wall)」と表現している。インドはこの計画に関連して日本に対し、資金、訓練、維持管理などについて長期にわたる支援を要請しているとされる。本当だろうか。

 残念ながら、現時点では3か国の政府とも、この計画について何も発表していない。しかし、日米印3か国の安全保障関係が劇的に進みつつあるのは確かだ。インドのナレンドラ・モディ首相が昨年9月に訪米した際に、潜水艦探知網の設置をバラク・オバマ大統領と協議したといわれている。そして、昨年12月以降、3か国の首脳、外務大臣、防衛大臣、軍の高官などが立て続けに会談を重ね、協力関係を急速に深めつつある。何か大きな計画があっても不思議ではない。

 そこで、本稿では、インド洋の「海中の城壁」計画は本当に進みつつあるのか、3つの観点から検証してみることにした。そもそもニーズはあるのか、過去に同じような例はあるのか、この計画が進んでいることを示唆する兆候はあるのか、という3つの観点である。

証拠1:ニーズがある

 まず、日米印3か国にニーズがあるかどうかだ。これについては、日経ビジネスオンラインで何度か言及したことがある。日米印にとって、インド洋における中国の潜水艦の動きは気になるところだ(関連記事「インド洋に展開し始めた中国海軍の原子力潜水艦」)。

 昨今の中国潜水艦の動向は以下の通りだ。

  • (1)2012年:中国の潜水艦とみられる船の行動がインド洋において22回確認された
  • (2)2014年:中国の原子力潜水艦(以下、原潜)がインド洋を、2か月にわたってパトロール
  • (3)2014年:中国潜水艦と支援艦が、スリランカのコロンボ港に2度寄港
  • (4)2015年:中国潜水艦がパキスタンのカラチ港に寄港
  • (5)2016年:パキスタンのカラチに中国の原潜が寄港。中国潜水艦がインド洋で活動するのを平均すると3か月に4~5回のペースで確認

 中国の活動は、これらにとどまらない。中国はインド洋の沿岸国に潜水艦を輸出しようとしている。現時点ではパキスタンに8隻、バングラデシュに2隻を計画中だ。潜水艦を輸出すれば、潜水艦の使い方を教える中国軍のインストラクターを派遣する。インド洋地域で情報を収集することもできるようになる。

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「日米印3か国がインド洋に築く「海中の城壁」」の著者

長尾 賢

長尾 賢(ながお・さとる)

未来工学研究所研究員

2001年、学習院大卒。自衛隊、外務省勤務後、学習院大学大学院でインドの軍事戦略を研究、博士取得。現在、未来工学研究所研究員と日本戦略研究フォーラムの研究員、学習院大学東洋文化研究所客員研究員。専門は安全保障、インド。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師